INFORICHは2026年7月9日、モバイルバッテリーの安全な取り扱い方法をまとめた啓発動画を公式YouTubeチャンネルで公開した。同社はシェアリングサービス「CHARGESPOT」を運営しており、全国に約6万台の充電スポットを設置している。動画では、自宅での適切な保管方法や、外出先で高温になる場所での放置を避けるといった注意点を解説。近年増加しているモバイルバッテリーの発煙・発火トラブルを受け、利用者の安全意識を高めて未然に事故を防ぐことを目的としている。
気象予報士が登場、本格的な暑さへの警戒を呼びかけ
公開された啓発動画には気象予報士が登場し、気象庁の長期予報を引き合いに、2026年の夏は7月から9月にかけて全国的に平年より気温が高く、厳しい暑さが長く続くと解説。特に8月にかけては40度を超える酷暑日が観測される恐れもあるという。その上で、暑さに参ってしまうのは人間だけでなく「モバイルバッテリーも熱中症になる」と表現し、熱トラブルへの注意を強く呼びかけている。
動画では、室内であっても直射日光の当たる窓際はあっという間に温度が上がってしまうことや、車内放置、通気性の悪いカバンの中での充電といった身近な危険性を、イラストを用いて視覚的にわかりやすく紹介。さらに、「バッテリーが膨らんでいる」「変な臭いがする」「煙が出た」といった異常を示すサインにも触れており、正しい使い方をマスターして厳しい夏を安全に乗り切るよう促す充実した内容となっている。
背景には深刻な火災事故の増加
同社が自発的な注意喚起に踏み切った背景には、深刻な火災事故の増加がある。消防庁の調べによると、令和7年(2025年)中にリチウムイオン電池などから出火した火災は1,297件にのぼり、4年連続で増加している。なかでもモバイルバッテリーを原因とする火災は482件と対象製品の中で最多を占め、前年の令和6年(290件)と比較して約7割も急増しているという。
モバイルバッテリーの発煙・発火事故を防ぐため、同社は自宅と外出先のシーン別に以下のことを避けるよう呼びかけている。
- 自宅での保管・充電時にやってはいけないこと
- 直射日光の当たる場所や真夏の車内など、高温になりやすい場所で保管すること
- バッテリーをつないだままスマートフォンを使う「ながら充電」をすること(大きな負荷がかかるため)
- 放熱しにくい布団やソファの上で充電すること
- 外出先での使用時にやってはいけないこと
- 炎天下のバッグの中や車内など、高温になる環境で放置・使用すること
- 落下させたり、強い力を加えたりすること
- 非正規の充電器やケーブルを使用すること
高温環境への放置、充電しながらの使用(ながら充電)、布製品の上での充電、強い衝撃、そして非正規品の充電ケーブルの使用は、バッテリーに大きな負荷を与えたり発火の原因になったりするため避ける必要がある。
万が一、発煙・発火してしまった場合の初期対応
消防庁の調査でも、モバイルバッテリーの出火原因として「高温下での使用・保管」と「外部からの衝撃」が上位を占めている。しかし、気をつけていても万が一発煙や発火が起きてしまった場合はどうすればよいのか。
まずは周囲の人に大声で火災であることを知らせ、身の安全を確保したうえで119番へ通報しよう。モバイルバッテリーは衝撃などにより急に激しく燃え出す場合があるため、無理に近づかず安全な距離を確保することが重要だ。消火する際は、消火器や大量の水を使用し、消防隊が到着するまで火が消えた後も断線しないよう注意しよう。
同社からの発信ということもあり、これからさらに厳しくなる「本格的な暑さのピーク」に向けた呼びかけの意義は大きい。日々の生活の中でこれらの行動には特に注意し、改めて安全な取り扱いに目を向けたい。



