2026年も記録的な暑さが続いている。気象庁は7月21日、埼玉県熊谷市や多治見市、愛知県豊田市で最高気温40度以上を観測し、全国で初めての「猛暑日」になったと発表した。猛暑日は気象庁が2026年から使い始めた予報用語で、最高気温40度以上の日を指す。同日は全国278地点で真夏日(35度以上)となった。翌22日も三重県亀山市で40.6度を記録している。
こうした暑さの中、手軽な暑さ対策として定着したのがハンディファンだ。だが、使い方を誤ると、涼しくなるどころか逆効果になる場合がある。
35度を超えたらハンディファンは「逆効果」
エレコムは2026年も、公式Xで「この暑さ(35度以上)だとかえって逆効果になります。明らかに気持ち悪い熱風になったら使用を控えてください」と注意を呼びかけている。理由は、ハンディファンが風を起こすだけの製品だからだ。気温が体温より高い環境で風を当てると、体は熱風にさらされて体温が上がり、汗の蒸発で体内の水分も奪われる。結果として、熱中症のリスクを高めてしまう。
海外の公的機関も同様の見解を示している。CDCは、気温が約32度(カ氏90度)を超える場合、扇風機によって体温が上昇する可能性があると指摘している。EPAの暑さ対策ガイドは、熱指数(ヒートインデックス)がカ氏99度(約37.2度、日本の基準に換算すると気温が35度、湿度40%以上)を超える場合、扇風機を単独で使わないよう求めている。WHOも、気温40度以下の場合のみ使用を推奨している。
とはいえ、日本のように湿度が高い環境では、汗が蒸発しにくく、風を送ること自体には一定の意味がある。エレコムも推奨しているように、冷感タオルと併用して気化熱を利用する、風を体に当てすぎない、小まめに休憩を挟むといった使い方で、リスクを避けながら使いたいところだ。
バッテリーの安全性にも要注意 機内持ち込み禁止の場合も
ハンディファンの多くはリチウムイオン電池を内蔵しており、劣化した状態で強い衝撃を受けると、発火につながる可能性がある。暑い車内など高温の場所に放置するのも避けたい。製品評価技術基盤機構(NITE)なども毎年注意喚起を行っているが、「リチウムイオン電池搭載製品」の事故は暑さに増え、8月にピークを迎えるとのことだ。
また、強い衝撃を与えることもご法度で、バッグから落としたり、使用中に手元から落としたりした際、見た目に大きな破損がなくても内部のバッテリーが損傷している可能性がある。そのまま使用や充電を続け、後から発煙・発火につながる事故が報告されている。一度でも強い衝撃を与えてしまった場合は使用を中止し、メーカーや自治体の指定する方法で処分するのが無難だ。
こうした事故リスクを受け、各社は半固体電池など安全性の高いバッテリーを搭載した製品へのシフトが進んでいる。エレコムも4月、ナトリウムイオン電池を採用したハンディファンを発売した。ナトリウムイオン電池は、従来のリチウムイオン電池と比べて約10倍にあたる約5000回のサイクル寿命を持ち、日常使いでの耐久性と安全性を高めた魅力的な製品だ。
ただし、ナトリウムイオン電池には注意したい点もある。ナトリウムイオン電池を搭載した製品は、航空機への機内持ち込みも、預け入れも認められていない。2026年4月24日、国際民間航空機関(ICAO)が定めた国際基準に基づいて国土交通省航空局がルールを改定し、ナトリウムイオン電池(内蔵するモバイルバッテリーを含む)は「不可」と明記された。国土交通省航空局によれば、以前から機内持ち込みは認められておらず、今回あらためて明記されたものとのことだ。エレコムも該当製品について、機内に持ち込めない旨を周知している。旅行や出張で飛行機を使う機会が多い人は、この点を踏まえて選ぶ必要がある。
また、モバイルバッテリーを兼ねる製品や、充電しながら使える製品も増えているが、機種によっては「充電中は使用できない」と明記されているものもある。購入時には、バッテリーの種類や安全機能、充電中の動作条件も確認しておきたいところだ。
2026年おすすめハンディファン 5選
ここからは、2026年に登場したハンディファンを5製品紹介する。タイプの異なるものを選んだ。
シャープ プラズマクラスターハンディファン
大手家電メーカーならではの信頼感と快適性を追求したモデル。独自の送風設計による直進性の高い風に加え、プラズマクラスター技術を搭載している。風を浴びながら手軽にケアできる点が独自の特徴。デスクに置いた際にも収まりが良く、オフィスと屋外の両方でスマートに使いたい人に向いている。
CIO Handy Fan
CIOが6月30日に発売したモデルで、ファン部分とバッテリー部分を切り離し、3400mAhのモバイルバッテリーとして使えるのが特徴。バッテリー部分にはUSB Type-Cコネクターがあり、ケーブルなしでスマートフォンに直接差して充電できる。首元を直接冷やせるペルチェ冷却機能も備える。価格は9980円。
abbiFAN「ICEMIST」
ペルチェ素子を使った3.5cmの大型冷却プレートに加え、微細なミストを出せる多機能モデル。最大1万3000rpm、7m/sの送風で、風量は1~100の100段階で調整できる。過電流・過充電・短絡などの保護機能を備え、バッテリー容量は4500mAhで最大24時間の連続使用に対応している。冷却プレート、ミスト、送風を1台でまかないたい人に向いている。ミストを使う分、タンクの手入れは必要になる。公式サイトの価格は5980円。
エレコム「FAN-U264」
エレコムが4月に発売したナトリウムイオン電池採用モデル。サイクル寿命はリチウムイオン電池の約10倍とされ、電池の安全性と長寿命を重視する人に向いている。FAN-U264はペルチェ式の冷却プレートを備え、風量は10段階で、デジタル表示付き。ただし、充電中は使用できない点と、前述の通り航空機には持ち込めない点は、押さえておきたいところだ。
カーメイト「スマホ冷却ハンディファン」
本体中心のペルチェ冷却プレートの両側にマグネットがあり、MagSafe対応スマートフォンを固定することが可能。スタンドとしても使えるため、動画を見ながらスマホを冷やすといった使い方ができる。安全性の高い高分子リチウムイオンバッテリーを採用し、容量は4000mAh。風量「強」で約6時間の連続使用に対応する。スマホの発熱が気になる人に向けた製品だ。



