chocoZAP瀬戸社長、無人化の壁とセキュリティ強化の両立語る
chocoZAP瀬戸社長、無人化の壁とセキュリティ強化語る

RIZAPグループの基幹事業「chocoZAP」が急成長を続ける一方、無人店舗ならではのセキュリティ課題に直面している。2026年3月期決算では営業利益が前期比6倍の111億円を達成。しかし、女性専用店舗に男性が誤入店するケースなどが発生し、安全対策と省人化の両立が問われている。瀬戸健社長は「無人運営を恐れて有人に戻せば、コストが利用料金に跳ね返る」と述べ、AIマネジメントの強化で課題解決を目指す方針を示した。

年間1000店舗を5人で達成、非常識を普通に

chocoZAPは2022年のローンチ当初から「年間1000店舗」を掲げ、急速な拡大を進めてきた。瀬戸社長は「1年で1000店舗と言った時、全国の吉野家が約1000店舗だと知った。あの吉野家を1年で追い抜くスピードだ」と振り返る。社内でも半信半疑の声があったが、ミニマムテストやデータ分析を重ね、現実的な目標に落とし込んだという。

驚くべきは、この店舗開発をわずか5人のチームで遂行している点だ。「5人で1日3店舗、月100店舗、年1000店舗。はっきり言って無茶です」と瀬戸社長は笑う。しかし、数字としての再現性の根拠はあり、スピード感はやってみなければわからない領域だったと説明する。

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瀬戸社長は「非常識なことを掲げても、自分の中ではそれが普通になる。皆が常識に縛られると新しいことはできない」と語り、社員の柔軟性が成功の鍵だと強調する。

自己否定から生まれたchocoZAP、ユーザー視点の徹底

chocoZAPは、高価格帯のパーソナルトレーニングで知られるRIZAP事業の「自己否定」から生まれた。瀬戸社長は「足し算は誰でもできるが、築き上げたものを失う怖さから真逆のアプローチは難しい」と述べる。しかし、ユーザー視点に立つと、「現状維持でいい」という層が圧倒的に多く、ハードルを下げたジムの必要性に気づいたという。

「RIZAPは結果にコミットするビジネスパーソンに刺さったが、自分がユーザーだったら続かないと気づいた。健康維持自体が大変で、気軽に行ける場所が必要だった」と瀬戸社長。目的は「お客様が自分に自信を持ち、自分を好きになること」で、手段には固執しないと語る。

第2章の課題:女性専用店舗のセキュリティとAI店長

今期、chocoZAPは「第2章」と位置づけ、女性専用店舗を最大300店舗展開する計画を発表した。女性客からは男性の視線を気にする声が多く、無人店舗ならではの課題も浮上している。故意でなくとも男性が誤入店するケースがあり、セキュリティ強化が急務だ。

瀬戸社長は「日本はゼロリスク信仰が強く、問題が起きると自動運転ですらストップする。しかし、高齢化や人手不足を考えれば省人化は不可欠」と指摘。その解決策として、AIが清掃やマネジメントを担う「AI店長」の導入を進めている。

「無人運営では想定外のことが起こる。それでも有人に戻せば人件費が利用料金に跳ね返る。何としても無人運営とAIマネジメントを成立させたい」と意気込む。

人材軽視の誤解と企業の責任

無人化モデルに対して「人件費を削っている」との批判もあるが、瀬戸社長は「人が活躍できる場を提供することが企業の命題」と反論する。「儲からない事業はお客様から必要とされていない証拠。人が活躍するには、利益が出る事業であるべきだ」と述べ、構造改革の必要性を説く。

さらに、「慣れ親しんだ手段から離れがたい社員に対し、キャリアアップのためにシフトを促すのが本当の愛情」と強調。コロナ禍でも「社員の食い扶持を作るのが企業の絶対的責任。危機的状況では異なる事業に挑戦してでも生き残る」と語った。

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chocoZAPの挑戦は、無人化とセキュリティの両立という社会課題の先行事例として注目される。AIマネジメントの成否が、今後の省人化ビジネスの行方を左右するだろう。