中国・上海で2026年7月17日から20日まで開催された「世界AI大会」で、新興企業の月之暗面(ムーンショットAI)が新型AIモデル「Kimi K3」を発表し、大きな注目を集めた。同社のブースは3つのモニターを並べただけの控えめな展示だったが、スタッフは「世界一のモデルを目指す」と自信を示した。
コーディング指標で米国最先端を上回る
「Kimi K3」は、コンピューターへの指示手順を記述する「コーディング」などの一部指標で、米アンソロピックの「クロード・フェイブル5」やオープンAIの「GPT-5.6Sol」といった最先端モデルを上回った。米国のAI性能評価においても、コーディング分野でアンソロピックを抜いて首位を獲得した。総合力ではまだ劣るものの、同社の担当者は「差は大きくない」と語った。
米市場に衝撃、ナスダック下落
このニュースは米市場にも影響を与えた。半導体などテック関連株が売られ、ハイテク株中心のナスダック総合指数は17日、前日比1.4%下落した。これは2025年1月に中国新興企業が低コストで高性能AIを開発し世界に衝撃を与えた「ディープシーク・ショック」の再来とも言われている。
中国のAI技術、米国との差を急速に縮める
中国は人工知能(AI)開発の二大大国の一角として、米国との差を急速に縮めている。豊富なデータを武器に低コストで高性能なAIを次々と開発し、ロボットなどに搭載して社会での実用化を加速している。大会ではアリババ集団やテンセントなどのIT大手のブースが並ぶ中、ムーンショットのような新興企業が存在感を示した。
人型ロボットも展示、実用化進む
大会主催者によると、過去最大の規模で開催された今回の大会では、AIを搭載した人型ロボットが多数展示され、実用化の加速が印象的だった。中国のAI技術は、米国の半導体輸出規制などの逆風にもかかわらず、独自の進化を遂げている。



