Airbnb、国内利用者比率5割へ 非観光地への分散や地方創生施策活用
Airbnb、国内利用者比率5割へ 非観光地分散や地方創生活用

民泊大手のAirbnb(エアビーアンドビー)が国内利用者を拡大する事業戦略を打ち出し、若年層を中心に認知度向上に注力している。訪日客(インバウンド)の需要は底堅いものの、騒音やゴミ出しなどでトラブルが増加し、規制強化が広がってきたからだ。国内旅行者には非観光地への分散や政府の地方創生施策の活用など、訪日客とは異なる手法で需要の開拓につなげる考え。

若年層をターゲットに認知度向上

Airbnb日本法人の中西惇也社長は6月30日、東京都中央区で記者会見し、ターゲットは大都市圏の若年層と述べた。同社の直近の国内予約数は訪日客が大半で、日本人の利用比率は約3割程度に留まる。ただ日本人の利用は増加傾向にあり、5割に引き上げる方針。2026年2月に日本法人の社長に就任した中西惇也氏は「グローバルで見てもアジアは重点地域。なかでも日本はもっと早く成長できると言われている」と述べた。

国内利用者拡大に向けターゲットとするのは大都市圏に居住する若年層。主要な観光都市や大都市圏に対する訪日客の需要との重複を避け、地方の魅力の発信などに注力する。

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地方創生施策を活用、ふるさと住民登録制度を推進

また、政府の地方創生施策も活用する。総務省は実際に居住していなくても「ふるさと住民」として登録し、関わり方に応じて旅費の補助などの特典が受けられる「ふるさと住民登録制度」を推進。今年度中に専用アプリを開発し、来年度から本格運用する。地方への旅行や移住の需要拡大を見据え、同社は民泊施設を運営する人材も育成している。中西氏は「地域に移住して生計を立てる選択肢を自治体と共同で作っていきたい」と話した。

同社が国内需要開拓を強化する背景には、オーバーツーリズム(観光公害)に対する批判の高まりを受けて観光庁や自治体が規制強化の動きを強めていることがある。

訪日客頼みではトラブル増加、規制強化の動き

訪日客に頼っては、需要が急増する中でずさんな施設運営をする民泊事業者と、近隣住民との間でトラブルが増加し、社会問題化している。中国人などが運営する違法民泊の横行も要因の一つとされる。

中西氏は事業者が規制に対応して住民の不安や不満を和らげることの重要性を指摘し、「適正な事業者を守り、正直者が得をするプラットフォームを作りたい」と意向を示す。

Airbnbは2014年に日本に進出。政府の地方創生戦略の後押しを受け、自治体などと連携し非観光地の需要開拓を進めてきた。新型コロナウイルス禍で拡大路線は中断したものの、26年1~3月期には売上高が前年同期比18%増の27億ドル(約4400億円)となるなど、V字回復を遂げている。(高橋早苗)

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