ベトナムの電気自動車(EV)大手ビンファストは、2024年第3四半期(7~9月)の納車台数が前年同期比で約2.5倍となる2万1500台に達したと発表した。同社は、東南アジア市場での需要拡大を背景に、世界展開を加速させている。
四半期納車台数が過去最高を記録
ビンファストの発表によると、第3四半期の納車台数は前期比で66%増加し、過去最高を更新した。2024年1~9月の累計納車台数は約4万5000台で、前年同期の約2万4000台から大幅に増加している。同社は、ベトナム国内市場に加え、北米や欧州市場での販売が好調であると説明している。
世界展開を加速、新市場への進出も計画
ビンファストは、インドネシアや中東市場への進出を計画しており、2025年までに世界60カ国以上での販売を目指している。同社のグエン・ティ・マイ・タイン副社長は、「当社のEVは品質と価格競争力で高く評価されており、グローバル市場での成長を加速させている」とコメントした。また、同社はインドに工場を建設する計画も進めており、現地生産によるコスト削減と市場拡大を図る。
ビンファストの成長を支える要因
ビンファストの成長を支えているのは、ベトナム政府のEV普及政策と、同社の積極的な投資戦略である。ベトナム政府は、2030年までにEVの普及率を30%に引き上げる目標を掲げており、ビンファストはこの政策の恩恵を受けている。また、同社は2024年に米国でIPOを実施し、調達した資金を研究開発や生産能力の拡大に充てている。
今後の課題と展望
一方で、ビンファストは競争激化や原材料価格の高騰といった課題にも直面している。特に、リチウムイオン電池の主要材料であるリチウムの価格上昇が収益を圧迫する可能性がある。しかし、同社はバッテリーの自社生産やリサイクル技術の開発を進めており、コスト削減に取り組んでいる。アナリストは、ビンファストが東南アジア市場で先行者利益を享受できるかどうかが、今後の成長の鍵を握ると指摘している。



