米新車販売、EVシフトで価格高騰 平均600万円超え
米新車販売、EVシフトで価格高騰 平均600万円超え

米国の新車市場で、平均販売価格が初めて5万ドル(約600万円)を超えたことが、業界調査会社ケリー・ブルー・ブック(Kelley Blue Book)の最新データで明らかになった。2024年8月時点の平均価格は5万1000ドル(約610万円)に達し、前年同月比で約8%上昇した。この背景には、電気自動車(EV)への急速なシフトや、半導体不足に起因する供給制約がある。

EVシフトが価格を押し上げ

新車価格の高騰を主導しているのは、EVや高級車の販売比率の増加だ。米国では、テスラやフォード、ゼネラルモーターズ(GM)など各社がEVラインアップを拡充しており、2024年のEV販売台数は前年比で約30%増加する見通し。しかし、EVの平均価格は6万ドル(約720万円)と、ガソリン車の4万5000ドル(約540万円)を大きく上回る。ケリー・ブルー・ブックのアナリスト、ミシェル・クライス氏は「メーカーが高価格帯のEVに注力しているため、全体の平均価格が押し上げられている」と指摘する。

半導体不足と在庫逼迫

さらに、半導体不足の影響も価格高騰に拍車をかけている。2021年以降続く供給制約により、新車の在庫は依然として低水準にある。米国全体の新車在庫日数は約30日と、適正水準の60日を大きく下回る。この需給逼迫がディーラーの値引きを抑制し、実勢価格を押し上げている。特に人気の高いSUVやピックアップトラックでは、メーカー希望小売価格(MSRP)を上回る価格で取引されるケースも少なくない。

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消費者の負担増大

価格上昇は消費者の購買行動にも影響を与えている。自動車ローン金利の上昇も重なり、月々の支払い額は過去最高水準にある。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げにより、新車ローンの平均金利は約7%と、2022年初めの約4%から大幅に上昇。これにより、月々の支払い額は平均で約750ドル(約9万円)に達し、家計への負担が増大している。

中古車市場への波及

新車価格の高騰は中古車市場にも波及している。新車が買えない消費者が中古車に流れるため、中古車価格も高止まりしている。ケリー・ブルー・ブックによると、2024年8月の中古車平均価格は約2万8000ドル(約336万円)と、新型コロナウイルス感染症流行前の水準を約40%上回る。クライス氏は「新車価格が高止まりする限り、中古車市場の正常化は難しい」と述べている。

今後の見通し

業界関係者の間では、新車価格の高騰は今後も続くとの見方が強い。半導体不足は徐々に解消されつつあるものの、EVシフトに伴う生産コストの上昇や、原材料価格の高騰が価格を押し上げる要因となっている。また、2025年に予定されるトランプ前政権による関税引き上げの影響も懸念されている。一方で、テスラや中国のBYDなどが低価格EVの投入を計画しており、将来的には価格競争が進む可能性もある。

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