米国EV市場の減速が顕著に
米国における電気自動車(EV)の販売台数が、2024年に入ってから顕著な減速を見せている。2023年には前年比46%増と急成長を遂げたが、2024年第1四半期の伸び率はわずか2.6%にとどまった。この減速は、高金利によるローン負担の増加や、充電インフラの整備遅れが主な要因とされる。米国エネルギー省のデータによれば、公共の急速充電器は2024年時点で約3万基と、目標の10万基には遠く及ばない。
日本メーカーへの逆風
このEV販売の減速は、トヨタやホンダなど日本メーカーにとって逆風となる可能性がある。両社は米国市場でEV投入を加速してきたが、需要の停滞により在庫が積み上がっている。トヨタの2024年第1四半期の米国EV販売は前年同期比で15%減、ホンダも12%減と苦戦している。自動車アナリストのジョン・スミス氏(仮名)は「日本メーカーはEVシフトで出遅れたが、今や需要減でさらに厳しい立場に立たされている」と指摘する。
ハイブリッド車が追い風に
一方で、ハイブリッド車(HV)の需要は堅調だ。トヨタのHV販売は2024年第1四半期に前年同期比で23%増加。ホンダも18%増と好調を維持している。これは、EVへの移行に慎重な消費者が、燃費効率の良いHVを選んでいるためだ。投資調査会社モーニングスターのシニアアナリスト、デイビッド・ウィストン氏は「日本メーカーはHVの技術で優位に立っており、EVの減速はむしろ彼らにとってチャンスとなり得る」と述べている。
メーカー各社の戦略見直し
こうした状況を受け、日本メーカーは戦略の見直しを迫られている。トヨタは2024年5月、米国でのEV生産計画を一部延期し、HVの生産能力増強にシフトすると発表。ホンダも同様に、HVとプラグインハイブリッド車に注力する方針を打ち出した。日産自動車も、2025年までに米国で販売する新車の40%をEVとする目標を、30%に下方修正した。これらの動きは、EV一辺倒ではなく、多様なパワートレインを提供する「マルチパスウェイ戦略」への回帰を示している。
今後の展望
米国政府は2030年までに新車販売の50%をEVとする目標を掲げるが、現状のペースでは達成は困難と見られる。バイデン政権は充電インフラ整備に75億ドルを投じる計画だが、実効性には疑問の声も上がる。日本メーカーは、HVで稼ぎつつ、EV技術の開発を継続するという二正面作戦を強いられる。市場調査会社IHSマークイットの予測では、2025年以降、EV需要は再び加速するとされるが、それまでの間、日本メーカーの柔軟な戦略が競争力を左右しそうだ。



