米国、中国に巨額のEV補助金是正要求 WTO紛争解決へ
米国、中国のEV補助金是正要求 WTO紛争へ

米国政府は26日、中国が電気自動車(EV)や太陽光パネルなどクリーンエネルギー分野で自国企業に巨額の補助金を供与しているのは世界貿易機関(WTO)協定に違反するとして、是正を求める正式な申し立てを行った。これはバイデン政権が中国の産業政策に対する圧力を強める中での動きだ。

WTO紛争解決手続きの開始

米通商代表部(USTR)は声明で、中国の補助金が「市場を歪め、米国の労働者や企業に損害を与えている」と非難。WTOの紛争解決手続きに基づき、中国との協議を正式に要請した。この措置は、米国が中国のクリーンエネルギー分野における補助金問題でWTOに提訴する初のケースとなる。

USTRのキャサリン・タイ代表は「中国の補助金はWTOのルールに明らかに違反している。米国の労働者と企業を守るため、あらゆる手段を講じる」と述べた。中国商務省はこれに対し、「中国の補助金はWTOのルールに合致しており、米国の主張は根拠がない」と反論している。

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対象となる補助金の規模

米国が問題視するのは、中国が「製造業2025」などの産業政策の下でEVや太陽光パネル、リチウムイオン電池などに供与している補助金だ。これらの補助金は総額で数千億ドルに上るとみられ、具体的には、EV購入補助金、電池メーカーへの補助金、研究開発助成金などが含まれる。

国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、中国は世界最大のEV市場であり、2023年のEV販売台数は約800万台に達した。中国企業によるEVの輸出も急増しており、2023年には前年比で約70%増加した。米国はこれが中国の過剰生産能力と補助金に支えられていると主張している。

米国の戦略と今後の見通し

バイデン政権は国内のクリーンエネルギー産業を育成するため、インフレ抑制法(IRA)を通じて巨額の補助金を支給しているが、同時に中国の補助金にも厳しい姿勢で臨んでいる。今回のWTO提訴は、中国の不公正な貿易慣行を是正させるための外交的圧力の一環だ。

専門家は、WTOの紛争解決手続きには数年かかる可能性があり、最終的に中国が是正に応じない場合、米国は対抗措置を取る権利を得る。一方、中国は反発を強めており、今後の米中貿易摩擦の激化が懸念される。

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