トヨタ自動車は中国市場での電気自動車(EV)販売を加速するため、現地生産能力を現在の3倍に引き上げる方針を固めた。関係筋によると、2025年までに年産30万台を目指し、広州汽車との合弁会社である広汽トヨタの工場を増設する。これにより、トヨタは中国市場で急速にシェアを拡大するBYDなど中国メーカーに対抗する。
生産能力増強の背景
トヨタはこれまで中国でハイブリッド車(HV)に注力してきたが、中国政府のEV推進政策や消費者のEV需要の高まりを受け、戦略転換を迫られている。2022年の中国でのEV販売は約2万台にとどまったが、BYDは同年に約91万台のEVを販売している。トヨタは2023年に中国でEV専用ブランド「bZ」シリーズを投入し、販売拡大を図っている。
増産計画の一環として、トヨタは広汽トヨタの第5ラインを新設し、既存の第4ラインと合わせてEV生産に充てる。新ラインの生産能力は年10万台で、2024年に稼働開始予定。さらに、天津の一汽トヨタ工場でもEV生産を拡大する。
中国市場での競争激化
中国は世界最大のEV市場であり、2022年の販売台数は前年比93%増の約567万台に達した。中国政府は2030年までに新車販売の40%をEVにする目標を掲げる。こうした環境下、米テスラや中国新興メーカーに加え、独フォルクスワーゲンなども生産能力を増強している。
トヨタは中国でEV生産を拡大する一方、水素燃料電池車(FCV)の開発も継続する。同社はカーボンニュートラル実現に向け、多様なパワートレインを開発する方針だ。



