世界的なEVシフトの流れが加速する中、ガソリン車の需要が当面続くとの見方が強まっている。調査会社IHSマークイットの予測によると、2030年の世界のEV販売台数は3000万台を超える見込みだが、内燃機関車の需要も依然として大きい。
トヨタのマルチパスウェイ戦略
トヨタ自動車は、EVだけでなくハイブリッド車や水素燃料電池車など複数の技術を追求する「マルチパスウェイ戦略」を掲げている。同社の豊田章男社長は「お客様のニーズは多様であり、一つの技術に絞るのは現実的ではない」と述べている。
トヨタの戦略は、地域ごとのエネルギー事情やインフラ整備状況に応じて最適な技術を提供することを目指している。特に、充電インフラが未整備な地域では、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が重要とされる。
業界全体の動き
他の自動車メーカーも同様の戦略を採用している。フォルクスワーゲンはEVに注力する一方、BMWは内燃機関車の改良を続けている。また、中国の比亜迪はEVとプラグインハイブリッド車の両方を展開している。
国際エネルギー機関の報告によれば、2023年の世界のEV販売台数は約1400万台で、前年比35%増加した。しかし、ガソリン車の販売台数は約7000万台と依然として主流である。
今後の展望
専門家は、EVの普及には充電インフラの整備やバッテリーコストの低減が不可欠と指摘する。また、資源制約や地政学的リスクも影響を与える可能性がある。
トヨタのマルチパスウェイ戦略は、こうした不確実性に対応する現実的な選択肢として評価されている。同社は、2030年までにEVの年間販売台数を350万台とする目標を掲げているが、同時にガソリン車の生産も継続する方針だ。



