トヨタの水素エンジン、次期型で航続距離30%向上へ
トヨタ水素エンジン、次期型で航続30%向上

トヨタ自動車は、次世代の水素エンジン車において、航続距離を現行比で約30%向上させる計画を明らかにした。現在開発中の次期型は、2025年までに実用化を目指しており、燃料タンクの高圧化やエンジンの熱効率改善などにより、航続距離の大幅な延長を実現する見通しだ。

水素エンジンの現状と課題

トヨタは2021年、水素を燃料とするエンジン車「GRヤリス」の試作車を公開し、水素エンジンの可能性を示した。しかし、現行の水素エンジン車は、燃料タンクの容量やエンジン効率の面で課題が残り、航続距離はガソリン車や燃料電池車(FCV)に比べて短いのが実情だ。トヨタの関係者は「水素エンジンはカーボンニュートラルの選択肢の一つ。航続距離の向上は普及の鍵」と語る。

次期型での具体的な改良点

次期型では、燃料タンクの耐圧性能を向上させ、より高圧で水素を貯蔵できるようにする。これにより、同じタンク容量でもより多くの水素を搭載可能になる。また、エンジン本体では、燃焼効率を高めるための新技術を導入。具体的には、水素の噴射タイミングや点火方式の最適化により、熱効率を現行比で数%向上させる計画だ。これらの改良により、航続距離は現行の約500kmから650km以上に延びると見込まれている。

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実用化へのスケジュールと課題

トヨタは次期型の水素エンジン車を2025年までに市場投入する目標を掲げている。ただし、水素の供給インフラ整備やコスト低減が依然として課題だ。現在、日本国内の水素ステーションは約160か所にとどまっており、普及にはさらなる拡充が必要となる。また、水素エンジン車の価格はガソリン車より高くなる見通しで、量産効果によるコストダウンが求められる。

水素エンジンの可能性

水素エンジンは、二酸化炭素(CO2)を排出しないため、カーボンニュートラル実現の有力な手段として期待されている。トヨタは、燃料電池車と並んで水素エンジンの開発を推進しており、商用車やレース用車両への応用も視野に入れている。同社の技術者は「水素エンジンは、エンジン音や振動など、内燃機関の魅力を残しつつ、環境性能を高められる」と強調する。

業界の反応と展望

自動車業界では、トヨタの水素エンジン開発に対して注目が集まっている。一方で、バッテリー式電気自動車(BEV)へのシフトが加速する中、水素エンジンの市場性を疑問視する声もある。しかし、トヨタは「多様なパワートレインを用意することが、持続可能なモビリティ社会につながる」とし、水素エンジンを含むマルチパスウェイ戦略を堅持する方針だ。

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