トヨタと日産、EV電池リサイクルで協業へ 国内市場の競争力強化狙う
トヨタと日産、EV電池リサイクルで協業 国内競争力強化 (16.07.2026)

トヨタ自動車と日産自動車が、電気自動車(EV)に使用されるリチウムイオン電池のリサイクル事業で協業する方向で調整に入った。複数の関係者によると、両社は2025年度にも実証実験を開始し、2030年以降の本格事業化を視野に入れている。国内での電池リサイクル体制を強化することで、中国や韓国などの海外勢に対抗し、EV市場での競争力を高める狙いがある。

協業の背景と目的

EVの普及に伴い、使用済み電池のリサイクル需要が急増すると見込まれている。トヨタと日産は、リサイクル技術の共同開発や、回収・処理ネットワークの共有を検討している。両社はそれぞれ独自のリサイクル技術を持つが、協業によりコスト削減と効率化を図る。また、リサイクルで得られるレアメタルの安定調達も目的の一つだ。

経済産業省は、2030年までに国内のEV用電池リサイクル率を90%以上にする目標を掲げており、今回の協業はこれに沿った動きとみられる。業界関係者は「国内自動車メーカーが連携することで、リサイクル事業の採算性が向上し、国際競争力が強化される」と指摘する。

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実証実験の概要

実証実験では、トヨタのハイブリッド車やEV、日産のリーフなどから回収した電池を使用する。両社はリサイクル工程におけるエネルギー消費量の削減や、高純度のリチウム、コバルト、ニッケルなどの回収率向上を目指す。具体的には、トヨタが開発した乾式リサイクル技術と、日産が持つ湿式リサイクル技術の組み合わせを検討している。

トヨタの担当者は「リサイクル技術の進化は、EVの環境性能を高める上で不可欠だ。日産との協業により、より効率的で持続可能なリサイクルシステムを構築したい」と述べている。日産の広報担当者も「リーフの販売で培った電池リサイクルの知見を生かし、業界全体の課題解決に貢献したい」とコメントした。

今後の展望と課題

本格事業化に向けては、リサイクルコストの低減や、回収物流の効率化が課題となる。また、両社の競合関係を超えた協業をどこまで拡大できるかも焦点だ。業界アナリストは「自動車メーカー間のリサイクル協業は世界的にも珍しく、成功すれば他社にも波及する可能性がある」と分析する。

一方で、リサイクル事業の採算性には懐疑的な見方もある。資源価格の変動や、リサイクルコストが新規採掘を下回るかどうかが鍵となる。トヨタと日産は、政府の補助金や規制強化を追い風に、事業化を加速させる方針だ。

今回の協業は、EV市場の拡大とカーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩となる。両社の動きは、国内自動車産業の競争力維持にも寄与すると期待されている。

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