中国市場における電気自動車(EV)の販売競争が激化する中、トヨタ自動車と日産自動車がEV戦略の見直しを迫られている。両社は中国でのEV販売が低迷しており、撤退を含めた抜本的な対策を検討していると報じられた。
トヨタの中国EV戦略、転換点に
トヨタは中国市場で「bZ4X」などのEVモデルを投入してきたが、販売台数は期待を大きく下回っている。2023年の中国でのEV販売台数は約1万台にとどまり、同市場で急成長するBYDなどの中国メーカーに大きく差をつけられている。トヨタはこれまでハイブリッド車(HV)で中国市場を牽引してきたが、EVシフトの遅れが顕在化している。
関係者によると、トヨタは中国でのEV生産を縮小し、一部のモデルを撤退させる可能性がある。また、中国市場向けの新型EVの投入計画も見直す方向だ。トヨタは「中国市場は依然として重要だが、EV戦略については常に最適な選択肢を検討している」とコメントしている。
日産も苦戦、中国市場での存在感低下
日産自動車も中国市場で苦戦している。同社のEV「アリア」の販売は振るわず、2023年の中国でのEV販売台数は約5千台と低迷。日産は中国市場でのシェア低下に歯止めがかからず、EV戦略の抜本的な見直しを迫られている。
日産の内田誠社長は「中国市場の変化は予想以上に速く、当社のEV戦略も適応する必要がある」と述べ、撤退も含めた選択肢を検討していることを示唆した。日産は中国での生産能力を削減し、EV投資を他の市場に振り向ける可能性がある。
中国EV市場の現状と日本メーカーの課題
中国のEV市場は2023年に約900万台規模に成長し、世界最大の市場となっている。しかし、競争は激化しており、BYDや蔚来汽車(NIO)などの中国メーカーが市場を席巻している。日本メーカーはEVの価格競争やソフトウェア開発で遅れをとり、存在感を低下させている。
専門家は「日本メーカーが中国市場で生き残るためには、EVだけでなく、プラグインハイブリッド車(PHEV)や水素燃料電池車など、多様なパワートレイン戦略が必要だ」と指摘する。また、中国市場に特化したEVモデルの開発や、中国企業との提携強化も重要な選択肢となる。
今後の見通し
トヨタと日産の中国EV戦略の見直しは、日本メーカー全体の中国市場戦略に影響を与える可能性がある。ホンダも中国でのEV販売が低迷しており、同様の決断を迫られる可能性がある。一方で、中国市場からの撤退は、日本メーカーのグローバル戦略にも大きな影響を及ぼす。
今後の焦点は、トヨタと日産がどのような形で中国市場でのEV事業を再構築するかだ。両社は年内にも具体的な方針を発表する見通しで、業界の注目が集まっている。



