トヨタと日産、EVシフトで明暗分かれる 戦略の違いが浮き彫りに
トヨタと日産、EVシフトで明暗 戦略の違い浮き彫り

トヨタ自動車と日産自動車の電気自動車(EV)戦略に明暗が分かれている。トヨタはハイブリッド車(HV)の好調な販売により堅調な収益を確保しているのに対し、日産はEVシフトで出遅れ、業績に影響が出始めている。

トヨタの戦略:HVとEVの両軸で着実に

トヨタはHVで長年の実績を持ち、2023年度の世界販売ではHVが全体の約3割を占めた。同社は2030年までにEV販売を350万台とする目標を掲げるが、HVの需要が依然強いため、EVへの急激なシフトは避ける方針だ。この戦略により、収益性を維持しながらEV開発を進めている。

一方、日産は2010年にリーフを投入しEV市場の先駆者となったが、その後は競合他社に追い越された。2023年度のEV販売は約14万台と、トヨタの約10万台を上回るものの、世界シェアではテスラやBYDに大きく水をあけられている。

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日産の苦境:EVシフトの遅れが業績に影響

日産は2020年に発表した「Nissan NEXT」変革計画でEVの投入を加速するとしていたが、新型EVの投入が遅れている。特に中国市場では、地元メーカーのEV攻勢に押され販売が低迷。2023年度の中国販売は前年比16%減の79万台となり、業績に大きな打撃を与えている。

日産の内田誠社長は「EVのラインアップ拡充を急ぐ」と述べるが、専門家からは「戦略の遅れが競争力に響いている」との指摘が出ている。日産は2026年までにEVを30車種投入する計画だが、既存のガソリン車からの転換が進まず、収益性の改善が課題となっている。

専門家の分析:HVの需要減が転機に

自動車業界アナリストの山田一郎氏は「トヨタのHV戦略は当面有効だが、欧州や中国でEV規制が強化される中、中長期的にはEVへの本格転換が避けられない」と指摘する。一方、日産については「リーフの成功に慢心し、EV市場の成長を見誤った」と厳しい見方を示す。

実際、世界のEV販売は2023年に前年比35%増の約1400万台となり、市場は急拡大している。この流れに乗り遅れた日産は、中国や欧州でのシェア低下に直面している。トヨタもEV販売は全体の1%未満とまだ少ないが、2026年までにEV10車種を投入し、販売を150万台に引き上げる計画だ。

今後の展望:競争激化で生き残りかけて

両社の明暗は、EVシフトの速度と投資のバランスに起因する。トヨタはHVで稼いだ資金をEV開発に振り向け、着実に移行する戦略。日産は早期のEV投入で先行したものの、その後投資が鈍り、競合に追い越された。

今後、両社ともEV市場での存在感を高める必要がある。特に日産は、2026年までに投入する新型EVが鍵を握る。トヨタも、HVからEVへのスムーズな移行が求められる。自動車業界のEVシフトは加速しており、両社の戦略の成否が、今後の業界地図を大きく変える可能性がある。

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