トヨタ自動車と日本政府は、電気自動車(EV)の普及を加速させるため、充電インフラの整備や電池の国内生産体制の強化で連携する方針を固めた。関係者によると、両者は近く協力協定を結び、官民一体でEVシフトを推進する。
充電インフラ整備で協力
政府は2035年までに新車販売を全て電動車にする目標を掲げているが、充電設備の不足が普及の壁となっている。トヨタは、高速道路のサービスエリアや商業施設への急速充電器設置を政府と共同で進める計画だ。経済産業省は、補助金を活用して整備を後押しする方針。
トヨタの豊田章男社長は「EVの普及にはインフラ整備が不可欠。政府と連携し、ユーザーが安心してEVを選べる環境を整えたい」と述べている。
電池生産で国内回帰
また、トヨタはEVの心臓部である電池の生産を国内に回帰させる方針を打ち出した。現在は中国など海外での生産が中心だが、政府の補助金を活用し、静岡県や愛知県の工場に新たな生産ラインを設置する。これにより、年間50万台分の電池供給を目指す。
政府は電池の安定調達を経済安全保障上の重要課題と位置づけており、トヨタの国内生産回帰を支援する。経済産業省の担当者は「EV市場の成長を見据え、国内の電池産業の競争力を強化する必要がある」と話す。
水素技術も連携
一方、トヨタが強みを持つ水素燃料電池車(FCV)についても、政府との連携を強化する。政府は水素社会の実現に向けた基本戦略を策定中で、トヨタは水素ステーションの整備や燃料電池の技術開発で協力する。
豊田社長は「EVだけでなく、水素も含めたマルチパスウェイ戦略が重要。政府と連携し、多様な選択肢を提供したい」と強調した。
今回の連携強化は、世界的なEVシフトの加速を受け、日本の自動車産業の競争力を維持する狙いがある。中国や欧米の自動車メーカーがEVに積極的に投資する中、日本勢の巻き返しが課題となっている。



