トヨタ自動車と出光興産は、全固体電池の量産技術を共同開発することで合意した。2027〜28年の実用化を目指し、出光が生産する硫化リチウムをトヨタの電池工場に供給する体制を構築する。全固体電池は、従来のリチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が高く、航続距離の延長や充電時間の短縮が期待される。
協業の背景と目的
トヨタは2030年までに全固体電池を搭載した電気自動車(EV)を市場に投入する計画を掲げている。出光は、全固体電池の電解質材料として重要な硫化リチウムの生産技術を持つ。両社は、材料調達から生産までのサプライチェーンを構築し、コスト削減と量産性の向上を図る。
トヨタの執行役員は「全固体電池の実用化には、材料メーカーとの緊密な連携が不可欠だ。出光との協業で、早期の量産化を実現したい」と述べている。出光の担当者も「当社の材料技術がEVの普及に貢献できることを嬉しく思う」とコメントした。
全固体電池の課題と展望
全固体電池は、電解質を固体にすることで、発火リスクを低減し、高いエネルギー密度を実現できる。しかし、量産化には、電解質材料の安定供給や製造コストの低減が課題となっている。トヨタと出光の協業は、これらの課題解決に向けた重要な一歩と評価されている。
業界関係者によると、全固体電池の市場規模は2030年には約2兆円に達する見通し。トヨタと出光は、先行して量産技術を確立することで、競争優位性を確保したい考えだ。
今後のスケジュール
両社は、2024年内に具体的な量産計画を策定する。出光は、千葉県の工場で硫化リチウムの生産能力を拡大する方針。トヨタは、静岡県の電池工場で全固体電池の生産ラインを新設する予定だ。
トヨタは、全固体電池を搭載したEVを2027年から限定販売し、2028年以降に本格量産に移行する計画。価格は、従来のEVと同等かそれ以下を目指すとしている。



