EV販売好調も利益圧迫、テスラの値下げ戦略の裏側
EV販売好調も利益圧迫、テスラの値下げ戦略

テスラが2023年10月18日に発表した2023年第3四半期(7~9月)決算は、売上高が前年同期比9%増の234億ドル(約3兆5000億円)に達したものの、営業利益率は7.6%と前年同期の17.2%から大幅に低下した。純利益は18億5000万ドルで、前年同期の32億9000万ドルから44%減少した。

値下げ戦略の影響と販売台数の増加

テスラは2023年初頭から複数回にわたり主要モデルの値下げを実施してきた。これにより、第3四半期の世界販売台数は43万5059台と前年同期比27%増加したものの、1台当たりの平均販売価格は約4万5000ドルと前年同期の約5万2000ドルから低下した。イーロン・マスクCEOは「金利上昇により、多くの消費者が月々の支払い能力に制約を受けている。値下げは需要を喚起するために必要だった」と説明している。

粗利益率の低下と投資家の懸念

同社の自動車事業の粗利益率(規制クレジットを除く)は16.3%と、前年同期の27.9%から低下。市場予想の18%を下回った。投資家の間では、値下げによる販売増が利益率の低下を補えていないとの懸念が広がっている。エドワード・ジョーンズのアナリスト、ジェフ・ウィンドウ氏は「テスラは販売台数と利益率のトレードオフに直面している。短期的な販売増よりも収益性の回復が重要だ」と指摘する。

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今後の見通しと新モデル投入

テスラは2023年の年間販売目標180万台を維持しているが、達成には第4四半期に約47万5000台の販売が必要となる。マスクCEOは「2024年には次世代プラットフォームをベースとした低価格モデルの生産を開始する計画だ」と述べ、長期的な成長戦略を示した。また、サイバートラックの生産開始が2023年末に迫っており、2024年には量産体制に入る見通し。アナリストからは、新モデル投入による収益改善への期待が聞かれる。

競合との競争激化と市場環境

EV市場では、BYDなど中国メーカーが低価格モデルを投入し、競争が激化している。テスラの値下げは市場シェア拡大に貢献したものの、利益率の低下は持続可能な成長への課題となっている。バーンスタインのアナリスト、トニー・サッコナギ氏は「テスラは価格競争に巻き込まれており、収益性の改善にはコスト削減が不可欠だ」と分析する。一方で、テスラのエネルギー事業は好調で、第3四半期の売上高は前年同期比40%増の15億6000万ドルに拡大。同事業が全体の収益を下支えしている。

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