スウェーデンで、電気自動車(EV)を走行中にワイヤレスで充電できる道路の実証実験が始まった。この技術は、EVの普及における最大の障壁の一つである航続距離への不安を解消する可能性がある。
実証実験の概要
スウェーデンの運輸行政庁(トラフィクベルケット)は、同国南部のルンドとヘルシンボリを結ぶ道路で、走行中ワイヤレス充電システムの実証実験を開始したと発表した。このプロジェクトは、ドイツの電機大手シーメンスとスウェーデンの建設会社スカンスカが共同で実施する。
システムは、道路の路面下に埋め込まれたコイルから電磁誘導を利用して電力を送り、EVに搭載された受電コイルで受け取る仕組みだ。充電は走行中でも可能で、停車する必要はない。実験では、専用に改造されたEVがこの道路を走行し、充電効率や安全性が検証される。
期待される効果と課題
この技術が実用化されれば、EVのバッテリー容量を大きくする必要がなくなり、車両の軽量化やコスト削減につながる。また、充電スタンドに立ち寄る時間が不要となるため、長距離移動の利便性が大幅に向上する。トラフィクベルケットの担当者は「走行中充電は、EVの普及を促進する画期的な技術だ」と述べている。
一方で、道路のインフラ整備には多額の費用がかかることや、国際的な標準化の必要性など、解決すべき課題も多い。実証実験は2025年まで継続され、結果次第で本格導入が検討される。
世界の動き
走行中ワイヤレス充電の研究は世界各国で進められている。イスラエルのエレクトリック・ロード社は、同様の技術をイスラエルやスウェーデンで試験している。また、中国でも高速道路への導入が検討されている。スウェーデンの今回の実験は、欧州における先駆的な取り組みとして注目される。



