半導体不足が続く自動車業界、EV移行に暗雲か
半導体不足でEV移行に暗雲、自動車業界の課題

半導体不足が自動車業界に深刻な影響を及ぼしている。特にEV(電気自動車)への移行を進めるメーカーにとって、必要な半導体の確保が難しくなっている。トヨタ自動車は2023年、複数回にわたって生産調整を実施。9月には国内工場での減産を発表し、部品調達の困難さが浮き彫りとなった。

半導体不足の背景と自動車業界への影響

半導体不足は、新型コロナウイルス禍での需要急増や地政学的リスクによる供給網の混乱が原因だ。自動車業界は特に、車載半導体の需要が高まる中で供給が追いつかず、生産計画に支障をきたしている。日本自動車工業会のデータによると、2023年の国内自動車生産台数は前年比で約5%減少する見通しだ。

トヨタの広報担当者は「半導体の調達状況は依然として不透明で、今後も生産計画の見直しが必要になる可能性がある」と述べている。同社は2023年度の世界生産台数目標を下方修正しており、業績への影響が懸念される。

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EVシフトと半導体需要の高まり

EVには従来のガソリン車と比べて多くの半導体が使用される。特にパワー半導体やセンサー類の需要が高く、供給不足がEV普及の障壁となっている。日産自動車は、新型EV『アリア』の生産遅延を発表。同社の関係者は「半導体の確保が最大の課題だ」と語る。

自動車業界全体では、半導体の安定調達に向けてサプライチェーンの見直しが進んでいる。トヨタは半導体メーカーとの直接契約を強化し、在庫の積み増しを図っている。しかし、半導体の生産能力増強には時間がかかり、当面は供給不足が続く見通しだ。

今後の見通しと業界の対応

半導体不足は2024年以降も続くとの見方が強い。調査会社IHS Markitによると、自動車用半導体の需給バランスが改善するのは2024年後半以降と予測されている。ホンダは生産調整を継続しており、部品調達の多角化を進めている。

政府も半導体産業の国内回帰を支援する方針で、経済産業省は国内半導体工場の新設や増設に対する補助金制度を拡充。これにより、中長期的な供給安定化を目指す。自動車業界にとっては、半導体不足を乗り越え、EVシフトを加速できるかが問われている。

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