EVシフト加速で浮上する新たなリスク、鉱物資源の供給網問題
EVシフト加速で浮上する新たなリスク

電気自動車(EV)への移行が世界的に加速する中、バッテリーに不可欠なリチウムやコバルトなどの鉱物資源の供給網に新たなリスクが浮上している。これらの資源は特定の国に偏在しており、地政学的リスクや環境規制の強化が供給不安を招いている。

資源偏在と供給リスク

国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、リチウムの約50%、コバルトの約70%がそれぞれオーストラリアとコンゴ民主共和国に集中している。こうした偏在は、供給途絶のリスクを高める要因となっている。また、中国は精製工程で世界シェアの大半を占めており、供給網の脆弱性は顕在化している。

各国の資源確保競争

こうした状況を受け、米国や欧州連合(EU)は自国での資源開発やリサイクル技術の強化に乗り出している。米国は2022年に重要鉱物の供給網強化法を成立させ、国内生産とリサイクルへの投資を促進。EUも重要原材料法を制定し、2030年までに域内での精製能力を40%以上に引き上げる目標を掲げる。

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日本企業への影響

日本は資源の多くを輸入に依存しており、供給網のリスクは深刻だ。経済産業省は、EV用バッテリーのサプライチェーン強化に向け、資源国との連携やリサイクル技術の開発を推進している。ある自動車メーカーの調達責任者は「資源価格の高騰や供給遅延が生産計画に直結する。安定調達のため、複数の供給源を確保する必要がある」と指摘する。

リサイクル技術の重要性

新たな鉱山開発には長期間と環境負荷が伴うため、使用済みバッテリーからのリサイクル技術の確立が急務となっている。日本の研究機関や企業は、高効率なリサイクルプロセスの開発に取り組んでおり、資源の循環利用が鍵を握る。

今後の展望

EVシフトは環境負荷低減に貢献する一方で、新たな資源問題を引き起こしている。持続可能なモビリティ社会の実現には、資源の安定供給と環境保全の両立が求められる。各国の政策や技術開発の動向が、今後のEV市場の行方を左右するだろう。

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