EVシフト加速で需要高まるリチウム、日本企業の供給戦略とは
EVシフト加速で需要高まるリチウム、日本企業の供給戦略

電気自動車(EV)の世界的な普及に伴い、バッテリーの主要素材であるリチウムの需要が急拡大している。国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、リチウム需要は2040年までに2020年の約40倍に達する見通しだ。この需要拡大を受け、日本企業も資源確保や精製技術の強化に乗り出している。

リチウム市場の現状と日本企業の立ち位置

リチウムは、南米のチリやアルゼンチン、オーストラリアなど限られた地域に偏在する。中国は精製能力で世界の約60%を占め、供給網の寡占化が進んでいる。日本企業は、資源開発から精製、電池製造まで一貫したサプライチェーンの構築を目指している。例えば、トヨタグループの豊田通商は、アルゼンチンの塩湖からのリチウム生産に参画し、2025年までに年間2万トンの生産を計画している。

価格高騰と地政学リスク

リチウム価格は2021年から高騰し、2022年には過去最高値を記録した。主な要因は、EV需要の急増と供給不足である。また、主要産出国の政治リスクも無視できない。チリでは左派政権がリチウムの国有化を検討しており、アルゼンチンも資源ナショナリズムの動きを見せている。こうした地政学リスクに対し、日本政府は官民連携で資源確保を支援する方針だ。

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リサイクル技術の重要性

新たな資源開発に加え、使用済みバッテリーからのリチウム回収技術も注目されている。日本企業では、住友金属鉱山がリサイクル技術の実用化を進めており、2025年までに年産1000トンのリチウム回収を目指す。また、東芝も独自のリサイクル技術を開発し、資源の循環利用を促進する。これにより、海外資源への依存度低減と安定供給が期待される。

今後の展望と課題

リチウム需要は中長期的に拡大が続く見通しだが、供給不足や価格変動リスクは依然として高い。日本企業は、資源開発、精製、リサイクルの各段階で技術力とパートナーシップを強化する必要がある。また、脱炭素社会の実現に向け、リチウムイオン電池に代わる次世代電池の研究開発も重要だ。全固体電池やナトリウムイオン電池など、新たな技術の確立が日本の競争力を左右するだろう。

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