EVシフトで変わる自動車産業の部品サプライチェーン
EVシフトで変わる自動車部品サプライチェーン

電気自動車(EV)への移行が加速する中、自動車産業の部品サプライチェーンが大きく変貌を遂げている。従来のエンジン車で使われてきた部品の需要が減少する一方、EVに不可欠な電池やモーター関連部品の需要が急増している。

エンジン部品の需要減少

エンジン、トランスミッション、排気系など、内燃機関に特化した部品メーカーは、EVシフトの影響を直接受けている。例えば、ピストンやシリンダーヘッド、燃料噴射装置などの部品は、EVでは不要となる。これにより、これらの部品を主力とする企業は、事業の転換を迫られている。

ある部品メーカーの幹部は、「エンジン部品の受注は今後5年で半減する見込みだ。早急にEV向け部品の開発を進めなければ生き残れない」と語る。実際、2025年までに主要自動車メーカーの多くがEV生産比率を大幅に引き上げる計画を発表しており、エンジン部品の需要はさらに縮小する見通しだ。

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EV向け部品の需要拡大

一方、EVに使われる部品の市場は急拡大している。特に、リチウムイオン電池、駆動モーター、インバーター、パワーコントロールユニットなどの需要が高まっている。これらの部品は、EVの性能や航続距離を左右する重要なコンポーネントであり、多くの部品メーカーが開発・生産にしのぎを削っている。

また、EVでは車体の軽量化も重要な課題となる。そのため、アルミニウムや炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの軽量素材の需要も増加している。これに伴い、素材メーカーや加工メーカーにもビジネスチャンスが広がっている。

サプライチェーンの再編

部品メーカー各社は、EVシフトに対応するためサプライチェーンの再編を進めている。従来のエンジン部品からEV部品への生産ラインの切り替えや、新たな部品メーカーとの提携、電池材料の安定調達に向けた資源開発への投資など、多岐にわたる取り組みが行われている。

例えば、ある大手部品メーカーは、2024年までにエンジン部品工場の一部をEVモーター工場に転換する計画を発表した。また、別のメーカーは、電池材料のリチウムを確保するため、鉱山会社と長期契約を結んだ。

地域別の影響

EVシフトの影響は地域によっても異なる。自動車産業が集積する愛知県や静岡県などでは、エンジン部品メーカーの雇用への影響が懸念されている。一方、電池やモーターの生産拠点が集まる関東や関西では、新たな雇用が生まれると期待されている。

経済産業省によると、2025年までにEV関連部品の市場規模は現在の2倍以上に拡大する見込みだ。しかし、部品メーカーがこの変化に対応できなければ、日本の自動車産業全体の競争力低下につながる恐れもある。

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