EVシフト加速で部品大手が変革、日立Astemoが狙う次世代戦略
EVシフト加速で部品大手が変革、日立Astemoの戦略

世界的なEV(電気自動車)シフトが加速する中、自動車部品大手の日立Astemoは、従来のエンジン関連部品から電動化対応部品への転換を急いでいる。同社は2025年までに売上高2兆円を達成する目標を掲げ、パワートレインやシャシー制御システムで競争力を強化する方針だ。

電動化で変わる部品需要

EVの普及に伴い、エンジンやトランスミッションなどの従来部品の需要は減少する一方、モーターやインバーター、バッテリー管理システムなどの電動化部品の需要が急拡大している。日立Astemoは、こうした変化に対応するため、研究開発投資を電動化分野に集中させている。同社の2023年度の研究開発費は約1500億円で、そのうち約4割を電動化関連に投じているという。

「EVシフトは避けられないトレンドであり、当社もその流れに乗って事業構造を変革する必要がある」と、日立AstemoのCEOは述べている。同社は、電動化だけでなく、自動運転やコネクティッド技術にも注力し、次世代モビリティのトータルソリューションを提供することを目指している。

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競争激化する市場

自動車部品業界では、独ボッシュや独コンチネンタルなど欧米大手も電動化に積極的に投資しており、競争が激化している。日立Astemoは、日立グループの強みであるデジタル技術や制御技術を活かし、差別化を図る。特に、同社はシャシー制御システムで世界トップクラスのシェアを持ち、この分野での強みを活かして電動車両向けの統合制御システムを開発している。

また、同社は2022年に日立と本田技研工業の合弁会社として設立された経緯を持ち、本田との連携も強みの一つだ。日立Astemoは、本田向けに電動パワートレイン部品を供給しており、今後も両社の協力関係を強化する方針である。

地域別戦略と生産体制

日立Astemoは、日本、北米、欧州、アジアなどグローバルに生産拠点を展開している。特に、中国市場ではEV需要が急拡大しており、同社は現地での生産能力を増強している。2023年には中国に新たな電動化部品工場を稼働させ、年間生産能力を100万ユニットに引き上げた。

一方、北米市場では、インフレ抑制法(IRA)の影響でEV関連投資が活発化しており、日立Astemoも北米での生産拡大を検討している。同社は、2025年までにグローバルで電動化部品の売上高を5000億円に引き上げる目標を掲げている。

課題と今後の展望

電動化へのシフトは、部品点数が減少するため、従来のエンジン車に比べて部品メーカーの売上機会が減る可能性がある。しかし、日立Astemoは、電動化に伴う新たな部品需要やシステム統合による付加価値の向上で、売上を維持・拡大できると見ている。

「部品点数が減るという課題はあるが、当社はシステム全体を最適化する技術で競争力を発揮する。EVだけでなく、ハイブリッド車や燃料電池車など多様なパワートレインに対応できる体制を整えている」と、同社の技術責任者は語る。

今後の業績については、2024年度の売上高は前期比5%増の1.8兆円を見込み、2025年度には2兆円達成を目指す。自動車業界の変革期において、日立Astemoの戦略が成功するかどうかが注目される。

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