中国の電気自動車(EV)市場が急拡大する中、日本メーカーは苦戦を強いられている。2023年の中国EV販売台数ランキングで、日本メーカーはトップ10に入らなかった。一方、中国メーカーが上位を独占し、市場シェアを拡大している。
中国EV市場の現状
中国汽車工業協会によると、2023年の中国新エネルギー車(NEV)販売台数は前年比37.9%増の949万5000台に達した。うちEVは668万5000台で、市場全体の22%を占める。この急成長に伴い、日本メーカーの存在感は薄れている。
2023年の中国EV販売台数トップ10は、1位BYD(約157万台)、2位テスラ(約60万台)、3位広汽埃安(約48万台)など、すべて中国メーカーかテスラが占めた。日本メーカーは日産自動車が約7万8000台で14位、トヨタ自動車が約5万5000台で18位にとどまった。
日本メーカーの課題
日本メーカーの苦戦の背景には、EVへの対応の遅れがある。中国市場では、政府の補助金政策や充電インフラ整備がEV需要を後押しする一方、日本メーカーはハイブリッド車(HV)に注力してきた。しかし、中国ではHVはNEVに含まれず、補助金の対象外となるケースが多い。
また、中国メーカーは低価格帯から高級車まで幅広いEVを投入し、価格競争力を強めている。例えば、BYDの「海豚(ドルフィン)」は約10万元(約200万円)から購入可能で、日本メーカーのEVより安価だ。
さらに、中国メーカーはバッテリー技術や自動運転技術でも先行している。CATLやBYDが開発するリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、コストと安全性で優位性を持つ。
日本メーカーの戦略
こうした状況を受け、日本メーカーも中国市場向けのEV投入を加速している。トヨタは2024年、中国市場向けにEV「bZ3」を投入し、現地生産を開始した。日産も2024年に新型EV「Ariya」を中国で発売する予定だ。
しかし、中国市場での競争は激化しており、日本メーカーがシェアを回復するのは容易ではない。中国メーカーはすでにブランド認知度と販売網を確立しており、日本メーカーは価格や機能面で差別化を図る必要がある。
中国汽車技術研究センターのアナリストは「日本メーカーが中国市場で生き残るためには、現地のニーズに合ったEVを迅速に投入し、価格競争力を高める必要がある」と指摘する。
今後の見通し
中国のEV市場は今後も成長が続くと予想される。国際エネルギー機関(IEA)は、2030年までに中国の新車販売の50%以上がEVになると予測している。この成長市場で日本メーカーが存在感を示せるかどうかは、今後の戦略にかかっている。
日本メーカーは、中国市場だけでなく、東南アジアや欧州など他の地域でもEVシフトに対応する必要がある。特に、タイやインドネシアでは日本メーカーのシェアが高いが、中国メーカーの進出が進んでいる。
自動車業界アナリストの田中氏は「日本メーカーは、これまでの成功体験に固執せず、EV時代に向けた変革を急ぐべきだ」と述べている。



