東南アジアで電気自動車(EV)へのシフトが急速に進んでいる。特にタイやインドネシアでは、中国メーカーが市場を席巻しており、日本メーカーは苦戦を強いられている。
タイ市場での中国勢の躍進
タイは東南アジア最大の自動車生産国であり、EV市場でも先行している。2023年のEV販売台数は前年比で約4倍に増加し、その大半を中国のBYDや上海汽車(SAIC)などが占めた。タイ政府はEV普及に向けて補助金や税制優遇措置を導入しており、中国メーカーはこれを追い風にシェアを拡大している。
現地生産の拡大
中国メーカーは単なる輸出だけでなく、タイ国内での現地生産にも積極的だ。BYDは2024年からタイ工場での生産を開始し、SAICも合弁工場を稼働させている。これにより、関税コストを削減し、価格競争力をさらに高めている。
インドネシアでの資源を活用
インドネシアは世界最大のニッケル埋蔵量を誇り、EVバッテリーの原料として注目されている。政府はEV産業の誘致に積極的で、中国メーカーの投資が相次いでいる。現代自動車やLGエナジーソリューションの合弁工場に加え、中国のCATLや浙江華友鈷業もバッテリー工場の建設を進めている。
日本勢の巻き返しはなるか
一方、トヨタやホンダなどの日本メーカーは、ハイブリッド車(HV)に強みを持つが、EVへの転換が遅れている。タイでの販売シェアは低下傾向にあり、現地でのEV生産も限定的だ。日本勢は中国勢に対抗するため、EVの価格引き下げや新モデルの投入を急いでいるが、巻き返しは容易ではない。
東南アジアのEV市場は今後も拡大が見込まれ、中国勢の優位は続くと予想される。日本メーカーがこの流れにどう対応するかが、今後の競争の鍵を握る。



