中国市場における電気自動車(EV)の急速な普及が、日本自動車メーカーの存在感を脅かしている。2024年の中国新車販売台数に占めるEVの割合は約40%に達し、前年の30%から大幅に上昇した。一方、日本車メーカーの販売台数は前年比で15%減少し、特にガソリン車の需要縮小が顕著だ。
日本車シェア低下の要因
日本車のシェア低下は、中国市場でのEVシフトへの対応の遅れが主因とされる。トヨタ、ホンダ、日産などの日本メーカーは、ハイブリッド車(HV)で優位に立ってきたが、中国政府のEV優遇政策やBYDなどの中国メーカーの台頭により、EV市場での競争力が問われている。2024年上半期の中国市場における日本車のシェアは約15%で、2020年の23%から8ポイント低下した。
各社の対応策
トヨタは2024年、中国市場向けに新型EV「bZ3X」を投入し、価格を20万元(約400万円)以下に抑えることで競争力を高める方針だ。また、日産は2025年までに中国で5車種のEVを投入する計画を発表。ホンダは2024年、中国合弁会社を通じてEV専用ブランド「e:N」を立ち上げ、2027年までに10車種のEVを投入する目標を掲げている。
しかし、アナリストは「日本メーカーのEV戦略はまだ慎重すぎる。中国市場ではBYDやテスラがすでに価格競争を仕掛けており、日本車が巻き返すにはより積極的な投資が必要」と指摘する。
サプライチェーンの課題
EVシフトはサプライチェーンにも影響を与えている。日本メーカーは中国製バッテリーへの依存を強めており、地政学的リスクも懸念材料だ。一方、中国メーカーはバッテリー技術で優位に立ち、航続距離の長いEVを低価格で提供している。2024年の中国EV販売ランキングでは、BYDがトップで、テスラ、上海汽車が続く。日本メーカーでトップ10に入るのはトヨタのみで、10位にランクインした。
今後の展望
日本メーカーは、中国市場での生き残りをかけて、EV戦略の加速とコスト削減が急務となっている。また、中国市場以外でのEVシフトにも対応する必要があり、グローバルな事業戦略の見直しが迫られる。専門家は「日本車が中国市場で再び存在感を示すには、技術面での差別化と、中国の消費者ニーズに合った車種開発が鍵」と分析している。



