2024年の世界電気自動車(EV)販売台数が過去最高を更新する見通しであることが、複数の調査機関の予測で明らかになった。中国市場が引き続きけん引役となり、新興国でも普及が加速している。一方、欧州では補助金縮小の影響で販売が減速する可能性がある。
中国市場が世界EV販売の6割を占める
国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、2024年の世界EV販売台数は前年比約20%増の1700万台に達する見込み。このうち中国市場が約1000万台を占め、世界シェアの約6割に上る。中国では政府の補助金政策や充電インフラ整備が進み、BYDや上海汽車などの現地メーカーが低価格モデルを投入していることが販売を押し上げている。
「中国はEVの普及で世界をリードしている。特に小型車や都市型EVの需要が旺盛だ」と、IEAのエネルギーアナリストは指摘する。また、中国に続いて欧州が約300万台、米国が約150万台と予測されている。
新興国でもEV普及が加速
インドや東南アジア諸国でもEV販売が拡大している。インドでは2024年のEV販売台数が前年比50%増の10万台を超える見通し。政府の補助金やタタ・モーターズなどの地元企業の参入が背景にある。タイでは日本メーカーがEV生産を強化しており、2024年の販売台数は倍増の8万台と予想される。
「新興国ではガソリン車に比べてランニングコストが低いEVの魅力が広がっている。充電インフラの整備が課題だが、政府の支援も追い風だ」と、ブルームバーグNEFのアナリストは語る。
欧州では補助金縮小が逆風に
一方、欧州ではドイツやフランスがEV購入補助金を段階的に縮小したことから、販売が鈍化している。2024年の欧州EV販売台数は前年比5%増の約300万台と、成長率が鈍る見込み。特にドイツでは2023年末に補助金制度が終了したことで、2024年第1四半期のEV販売が前年同期比で14%減少した。
「補助金に頼らない持続可能な市場を構築する必要がある。しかし短期的には販売に影響が出るだろう」と、欧州自動車工業会(ACEA)の広報担当者はコメントしている。
2025年以降の展望
2025年以降も世界EV市場は拡大を続けると予想される。IEAは2030年までに世界の新車販売に占めるEVの割合が40%を超えると見込む。特に中国や新興国での普及が加速し、欧米でも電動化への流れは変わらないとみられる。
「EVの価格低下と性能向上が需要を喚起する。電池コストの低減や充電時間の短縮が鍵になる」と、業界関係者は指摘する。一方で、原材料の供給リスクや地政学的な緊張が課題として残る。



