EV販売鈍化で自動車業界に新たな試練、部品調達と生産計画に影響
EV販売鈍化で自動車業界に新たな試練 (10.07.2026)

世界的な電気自動車(EV)の販売鈍化が、自動車業界に新たな試練をもたらしている。これまで急成長を遂げてきたEV市場だが、2024年に入り需要が予想を下回り、多くの自動車メーカーが生産調整や投資計画の見直しを迫られている。部品サプライヤーも受注減少に直面し、業界全体に不透明感が広がっている。

EV販売鈍化の背景と現状

国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、2024年の世界のEV販売台数は前年比で約15%増加したものの、前年の約35%増から大幅に鈍化した。特に欧州市場では、補助金削減や充電インフラの整備遅れが響き、販売が伸び悩んでいる。中国市場でも、経済減速や競争激化により成長ペースが落ちている。

日本では、2024年度のEV販売台数が前年度比で約10%減少した。トヨタ自動車や日産自動車など国内メーカーは、EV戦略の見直しを余儀なくされている。トヨタは2026年までのEV販売目標を150万台から100万台に下方修正した。日産も一部モデルの発売延期を発表した。

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部品サプライヤーへの影響

EV販売鈍化の影響は、部品サプライヤーにも及んでいる。デンソーやアイシンなど主要サプライヤーは、EV向け部品の受注減少を受け、生産ラインの稼働率を引き下げている。あるサプライヤーの幹部は「EVシフトのペースが想定より遅く、在庫調整が必要になっている」と語る。

特に、EV専用部品を手がける中小企業への打撃は大きい。ある部品メーカーは「EV用モーターの受注が前年比で30%減少した。ハイブリッド車向け部品に生産を振り向けている」と明かす。業界団体の調査では、部品サプライヤーの約4割が2024年度の業績見通しを下方修正したという。

生産計画の見直しと投資の停滞

自動車メーカー各社は、EV販売鈍化を受けて生産計画の見直しを進めている。フォルクスワーゲンはドイツのEV工場で生産を一部停止し、GMは北米でのEV生産目標を引き下げた。日本でも、マツダがEV専用モデルの発売を延期し、スバルもEV生産ラインの稼働開始を遅らせる方針だ。

これにより、EV関連投資にも影響が出ている。調査会社ブルームバーグNEFによると、2024年の世界のEV関連投資額は前年比で約8%減少し、2025年も同程度の減少が見込まれる。特に、バッテリー工場への投資が遅れており、一部の計画は中止や延期に追い込まれている。

業界の対応と今後の展望

こうした状況に対し、自動車業界ではハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)への回帰も見られる。トヨタはHVの生産を増強し、日産もe-POWER搭載車のラインアップを拡充する。一方で、長期的なEVシフトの方針は変わらず、研究開発投資は継続するとしている。

専門家は「EV販売鈍化は一時的な調整局面であり、中長期的には成長が続く」と指摘する。しかし、当面は需要と供給のギャップに苦しむ企業が増えそうだ。業界全体として、EVシフトのペースを再調整しつつ、競争力を維持する戦略が求められている。

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