世界の電気自動車(EV)市場で販売の伸びが鈍化しているが、中国メーカーは依然として存在感を強めている。2024年の世界のEV販売台数は前年比で約20%増の約1700万台と予測されるが、2023年の35%増から成長率は低下している。この減速にもかかわらず、中国勢は低価格帯のEVを投入し、シェアを拡大している。
中国メーカーの攻勢
中国のBYD(比亜迪)は、2024年に世界販売で約300万台を目指し、日本市場にも参入した。同社の「シール」は競合のテスラ「モデル3」より約100万円安い価格設定で、コスト競争力を武器にしている。また、中国の新興メーカーであるNIO(蔚来汽車)やXPeng(小鵬汽車)も、高級EV市場で存在感を示している。
一方、日本メーカーはEV戦略の遅れが指摘されている。トヨタ自動車は2026年までに次世代EVを投入する計画だが、現行のEV販売は低迷。2024年1月から6月の世界EV販売台数で、トヨタは約5万台と、BYDの約160万台に大きく差をつけられている。
日本メーカーの課題
日本メーカーは、エンジン車やハイブリッド車(HV)で強みを持つが、EVシフトが加速する中で戦略の見直しを迫られている。トヨタは、HVの需要が依然として高いことを理由にEVへの全面転換に慎重だが、中国市場ではEVの普及が進み、HVの販売は減少傾向にある。
日産自動車は、2024年度に新型EV「サクラ」を投入するなど、軽EV市場で存在感を示しているが、海外市場では中国勢との競争が激化している。ホンダも、北米市場でEVの生産を拡大する計画だが、中国市場では販売が伸び悩んでいる。
価格競争の激化
EV市場では、価格競争が激化している。中国メーカーは低価格戦略で市場を席巻し、テスラも値下げを実施。これに対し、日本メーカーは価格面で劣勢に立たされている。特に、中国市場では、BYDの「シーガル」が約100万円から購入できるのに対し、日本メーカーのEVは200万円以上が主流だ。
「日本メーカーは、EVの価格競争に巻き込まれている。特に中国市場では、ローカルメーカーの低価格攻勢に対抗するのは難しい」と、自動車業界アナリストの山田氏は指摘する。
今後の展望
EV販売の減速は一時的との見方もあるが、長期的にはEVシフトが進むと予想される。日本メーカーは、HVや燃料電池車(FCV)など多様な技術を追求する戦略を掲げるが、EVへの投資を強化する必要がある。
「日本メーカーが生き残るためには、EVのコスト削減と技術革新が不可欠だ。特に、中国市場での競争力を高めることが急務」と、業界関係者は語る。



