世界的な半導体不足が自動車業界に影を落とす中、中国市場では電気自動車(EV)を中心とした新エネルギー車(NEV)の販売が急拡大している。2023年の中国NEV販売台数は前年比で約2倍の約350万台に達し、市場全体の成長を牽引した。一方で、日本メーカーは中国市場で苦戦を強いられており、シェア低下が顕著となっている。
中国NEV市場の急成長と半導体不足の影響
中国汽車工業協会の発表によると、2023年の中国自動車市場全体の販売台数は約2600万台で、前年比約3%増と緩やかな成長にとどまった。しかし、NEVに限れば約350万台と前年比約100%増の大幅な伸びを示した。この背景には、中国政府によるNEV購入補助金や環境規制の強化、充電インフラの整備などがある。半導体不足は依然として業界全体の課題であるが、中国のNEVメーカーはサプライチェーンの多様化や国産半導体の活用により、比較的影響を抑えているとされる。
日本メーカーの中国市場シェア低下
日本メーカーは中国市場で苦戦している。2023年の日本ブランドのシェアは約16%と、2020年の約23%から大幅に低下した。特に、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなどは、中国の地元メーカーである比亜迪(BYD)や上海汽車などの台頭に押されている。BYDは2023年に約300万台のNEVを販売し、世界最大のEVメーカーとなった。日本メーカーは従来のガソリン車に強みを持つが、EVシフトに遅れを取っている。
今後の展望と日本メーカーの戦略
日本メーカーは中国市場での巻き返しを図るため、EV投入を加速している。トヨタは2026年までに10車種のEVを投入する計画で、日産も中国市場向けEVの生産を強化する。しかし、中国のEV市場は価格競争が激化しており、日本メーカーが競争力を取り戻すには、コスト削減や現地パートナーとの協業が不可欠とみられる。また、半導体不足の長期化リスクもあり、サプライチェーンの強靭化が急務となっている。



