EV市場の競争激化、中国勢が世界シェア拡大へ
EV市場競争激化、中国勢が世界シェア拡大

中国EVメーカーの台頭が世界市場を変革

世界の電気自動車(EV)市場において、中国メーカーの存在感が急速に高まっている。特にBYD(比亜迪)やNIO(蔚来汽車)などの企業は、低価格でありながら高性能なモデルを次々と投入し、テスラや欧州の伝統的自動車メーカーに大きな脅威を与えている。

調査会社のデータによれば、2023年の世界EV販売台数は前年比35%増の約1400万台に達し、そのうち中国ブランドのシェアは約45%を占めた。2025年には中国勢が世界販売の50%を超えるとの予測もある。

低価格戦略と技術革新で攻勢

中国メーカーの強みは、まず価格競争力にある。BYDの「海豹(シール)」は日本円で約400万円から購入可能で、同じセグメントのテスラ「モデル3」より100万円以上安い。さらに、中国政府の補助金や充電インフラ整備が国内需要を下支えしている。

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また、バッテリー技術でも中国勢は先行。CATL(寧徳時代新能源科技)は世界最大のEV用バッテリーメーカーで、低コストで高エネルギー密度の「リン酸鉄リチウムイオン電池」を量産。これにより航続距離500km以上のEVを300万円台で提供可能にしている。

欧米メーカーの苦戦と対応策

一方、フォルクスワーゲンやステランティスなどの欧州メーカーは、中国市場での販売が低迷。2023年、フォルクスワーゲンの中国でのEV販売は前年比15%減の約20万台にとどまった。同社は2025年までに中国向けEVを10モデル投入する計画だが、価格競争で中国勢に対抗するのは難しいとみられる。

テスラも値下げ競争を余儀なくされている。2023年初頭から米国や中国で最大20%の値下げを実施したが、BYDの猛追で世界販売首位の座を脅かされている。

日本メーカーの遅れと巻き返しの課題

日本の自動車メーカーはEVシフトで出遅れている。トヨタはハイブリッド車に強みを持つが、EVの世界販売シェアは1%未満。2026年までにEV販売150万台を目標に掲げるが、中国勢との競争は厳しい。

日産は「リーフ」の後継モデルや新型EVを投入する方針だが、価格面での優位性は薄い。ホンダは2024年に中国市場向けの新型EVを発売するが、現地メーカーとの差は大きい。

今後の展望:中国勢のグローバル展開加速

中国メーカーは国内市場だけでなく、東南アジアや欧州でも販売を拡大している。BYDはタイ工場を2024年に稼働させ、東南アジアでの生産拠点を強化。NIOはノルウェーに続き、ドイツでも販売を開始した。

欧州連合(EU)は中国製EVに対する関税引き上げを検討しているが、中国勢の低コスト体質は簡単に崩せない。自動車業界の専門家は「今後5年以内に、中国ブランドが世界のEV市場で支配的な地位を築く可能性が高い」と指摘する。

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