中国EVメーカーの急成長
電気自動車(EV)市場で中国メーカーの台頭が顕著だ。2024年、中国製EVの輸出は前年比30%増加し、特に欧州と東南アジアで市場シェアを大きく伸ばしている。背景には、中国政府の強力な産業支援とメーカー各社の低価格戦略がある。
中国のEVメーカーは、バッテリー技術の進歩と生産コストの削減により、競争力のある価格帯を実現。例えば、比亜迪(BYD)は2023年に世界販売台数でテスラを抜き、トップに立った。同社の低価格モデル「シーガル」は1万ドル以下で販売され、新興国市場で爆発的な人気を集めている。
欧州市場での攻勢
欧州では、中国製EVの輸入が2023年に約20万台に達し、前年の2倍に増加。EUが中国製EVに対する追加関税を検討するほど、その影響は大きい。中国メーカーは、現地生産の拡大も進めており、BYDはハンガリーに工場を建設中だ。
「中国メーカーの価格競争力は脅威だ。特に小型車セグメントで顕著で、欧州メーカーは対応を迫られている」と、ドイツの自動車専門家は指摘する。
東南アジアでの存在感
東南アジアでも中国EVの浸透が進む。タイでは2023年のEV販売の約80%を中国ブランドが占めた。BYDや上海汽車(SAIC)が現地生産を開始し、価格をさらに引き下げている。
インドネシア政府は、中国メーカーの投資を積極的に誘致。ニッケル資源を活用したバッテリー生産拠点としての地位確立を目指す。
課題と今後の展望
一方で、中国EVメーカーには課題もある。欧米でのデータセキュリティ懸念や、補助金削減による国内需要の減退などだ。しかし、技術革新と規模の経済を武器に、世界市場でのプレゼンスはさらに高まると予想される。
国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2030年までに世界のEV販売の60%以上を中国メーカーが占める可能性があるという。日本の自動車メーカーも、この流れに対応した戦略が求められている。



