中国のバッテリーメーカー、SVOLT(蜂巣能源科技)はタイで電気自動車(EV)用バッテリー工場の起工式を行った。同工場は年間6万個のバッテリーパックを生産する能力を持ち、2024年から生産を開始する予定である。
タイ政府のEV政策と合致する投資
この投資は、タイ政府が推進するEV産業振興策に沿ったものだ。タイは2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げており、バッテリー生産の現地化を促進している。SVOLTの工場は、タイ国内のEVサプライチェーンを強化する重要な一歩となる。
タイ投資委員会(BOI)のナリット・テーラットサラディン事務局長は「SVOLTの投資は、タイが東南アジアのEVハブになるというビジョンを実現する上で重要な役割を果たす」と述べた。
年間6万個の生産能力と今後の拡大計画
工場はタイ中部のチャチューンサオ県に建設され、まずは年間6万個のバッテリーパックを生産する。これは約1万台のEVに搭載可能な量に相当する。SVOLTは将来的に生産能力を拡大し、タイ国内の自動車メーカーだけでなく、東南アジア全域の顧客に供給する計画だ。
SVOLTの中国本社は、タイ工場の建設に総額約3億ドル(約400億円)を投じると発表している。同社はすでに中国や欧州で生産拠点を持ち、タイはアジア太平洋地域での3番目の生産拠点となる。
タイのEV市場と競争環境
タイでは、BYDやMGなど中国のEVメーカーが積極的に販売を拡大しており、2023年のEV販売台数は前年比で約3倍に増加した。バッテリーの現地生産は、EVの価格低減やサプライチェーンの安定化につながると期待される。
一方、SVOLTの参入により、既存のバッテリーメーカーとの競争も激化する見通しだ。タイではすでに、日本のパナソニックや韓国のLGエナジーソリューションがバッテリー生産を行っている。



