EV普及の鍵は中国製電池、日本メーカーは技術革新で巻き返せるか
EV普及の鍵は中国製電池、日本メーカーの技術革新

電気自動車(EV)の普及において、バッテリーの供給網は極めて重要な位置を占める。現在、世界のリチウムイオン電池生産の約70%を中国が占めており、日本メーカーのシェアは低下傾向にある。しかし、日本メーカーは次世代電池技術で巻き返しを図ろうとしている。

中国製電池の優位性

中国のCATLやBYDなどのバッテリーメーカーは、規模の経済と政府の支援を背景に、低コストで高性能な電池を大量生産する能力を持つ。2023年の世界シェアでは、CATLが約37%、BYDが約16%と、トップ2を中国勢が占める。一方、日本のパナソニックは約8%と3位に留まる。

中国製電池のコスト競争力は圧倒的だ。2022年の調査によると、中国のバッテリーパックの平均価格は1kWhあたり約127ドルで、北米の約150ドル、欧州の約160ドルを下回る。この差は、EVの価格に直接影響する。

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日本メーカーの戦略

日本メーカーは、全固体電池など次世代技術で差別化を図る。トヨタ自動車は2027-2028年の全固体電池搭載EVの量産化を目指し、日産自動車も2028年までの実用化を計画する。全固体電池はエネルギー密度が高く、充電時間が短いため、EVの航続距離拡大と利便性向上につながる。

また、パナソニックは北米市場向けにテスラと協業し、4680型電池の生産能力を拡大中だ。同社は2024年度までにEV電池生産能力を現状の約50GWhから80GWh以上に引き上げる計画を公表している。

課題と展望

しかし、日本メーカーにはコスト面での課題が残る。全固体電池の量産には高い技術力が必要であり、コスト低減までには時間がかかる見通しだ。また、原材料の調達でも中国依存が続く。リチウムやコバルトなどの精製工程では、中国が世界の約60%を占める。

産業技術総合研究所の主任研究員は「日本メーカーは技術力では勝っているが、量産化とコスト低減で中国に遅れを取っている。差を縮めるには、政府の支援や企業間の連携が不可欠だ」と指摘する。

一方、環境規制の強化やEV需要の拡大に伴い、バッテリーのリサイクル技術も重要になる。日本メーカーはリサイクル技術でも先行しており、この分野で競争力を発揮する可能性がある。

EV市場の拡大に伴い、バッテリー業界はさらなる再編が予想される。日本メーカーが生き残るためには、技術革新とともに、戦略的な提携や生産体制の強化が求められる。

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