EVシフト加速、中国製電池が世界市場を席巻する理由
EVシフト加速、中国製電池が世界市場を席巻

電気自動車(EV)の普及に伴い、車載用電池の世界市場で中国勢が急速に存在感を高めている。調査会社SNEリサーチによると、2023年の世界販売上位10社のうち、中国企業が6社を占め、シェアは約60%に達した。日本勢はパナソニックホールディングス(HD)のみで、シェアは約7%にとどまる。

中国勢の躍進と日本勢の苦戦

中国の電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は、2023年の世界シェアが約37%で首位を維持。2位は中国の比亜迪(BYD)で約16%、3位は韓国のLGエナジーソリューション(約13%)が続く。パナソニックHDは4位で、テスラ向けの供給が主力だが、シェアは低下傾向にある。

日本勢の苦戦の背景には、中国企業の積極的な設備投資と政府の支援がある。中国はEV用電池の生産能力を大幅に拡大しており、2025年までに世界の生産能力の約70%を占めるとの見通しもある。一方、日本企業は技術面では優位性を持つものの、量産コストで中国に劣る。

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技術革新とコスト競争

中国勢はリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池でコスト競争力を強みとする。LFP電池はエネルギー密度は低いが、安全性と低コストが評価され、中国市場で主流となっている。CATLは高エネルギー密度の三元系電池とLFP電池の両方を展開し、幅広い需要に対応している。

日本企業は、全固体電池などの次世代電池の開発に注力するが、実用化にはまだ時間がかかる。パナソニックHDは2024年度に全固体電池の量産開始を目指すが、コスト低減が課題だ。

脱中国リスクとサプライチェーン

欧米では中国への依存度低減を図る動きがある。米国はインフレ抑制法(IRA)で、中国製電池を使用したEVを税制優遇の対象外とする一方、欧州連合(EU)も中国製電池への依存を減らす方針だ。しかし、中国の生産能力とコスト競争力は依然として高く、脱中国は容易ではない。

日本政府は、蓄電池の国内生産能力を2030年までに150GWhに拡大する目標を掲げるが、現状は中国に大きく後れを取っている。日本企業は、材料調達やリサイクル技術の開発で差別化を図る必要がある。

今後の展望

世界のEV市場は今後も拡大が見込まれ、電池需要は急増する。中国勢は国内市場だけでなく、欧米や東南アジア市場にも積極的に進出しており、日本企業は厳しい競争に直面している。日本勢が競争力を維持するには、次世代電池の早期実用化と、自動車メーカーとの連携強化が不可欠だ。

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