EV販売減速で中国電池大手CATLが生産調整、供給過剰と価格競争激化
EV販売減速でCATLが生産調整、供給過剰と価格競争激化

世界最大の電気自動車(EV)用電池メーカーである中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が、生産調整に乗り出したことが明らかになった。EV市場の成長鈍化と供給過剰を背景に、同社は2025年までに生産能力の一部を削減する方針だ。この動きは、世界の電池業界に波紋を広げている。

生産調整の背景と規模

CATLは、2024年後半から一部の生産ラインを停止し、稼働率を引き下げている。関係者によると、調整対象となる生産能力は全体の約10%に相当するという。同社はこれまで急速に生産能力を拡大してきたが、EV販売の伸び悩みにより在庫が積み上がっていた。

中国汽車工業協会のデータによると、2024年上半期の中国国内のEV販売台数は前年同期比で約20%増加したものの、前年の40%増から減速している。この減速が電池需要に直撃し、CATLの2024年第2四半期の営業利益率は前年同期比で3ポイント低下した。

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業界全体に広がる影響

CATLの生産調整は、他の電池メーカーにも影響を与えている。韓国のLGエナジーソリューションやSKオン、中国の比亜迪(BYD)も生産計画の見直しを検討していると報じられている。市場調査会社SNEリサーチのアナリストは、「CATLの動きは業界全体の需給バランスを再調整するきっかけになるだろう」と指摘する。

また、電池価格の下落も加速している。2024年半ばのリチウムイオン電池の平均価格は1キロワット時あたり約130ドルで、前年同期比で15%下落した。これは供給過剰と原材料価格の低下が主因だ。

CATLの戦略転換

CATLは生産調整と同時に、研究開発への投資を強化する方針を示している。同社の創業者である曾毓群会長は、「短期的な需要変動に対応するため、生産能力の柔軟性を高めるとともに、次世代電池技術の開発に注力する」と述べている。具体的には、ナトリウムイオン電池や固体電池の実用化を加速する計画だ。

さらに、CATLは欧州市場での現地生産も拡大する。ハンガリー工場の生産能力を2025年までに現在の2倍に増強する予定で、これは欧州のEVメーカーへの供給を安定させる狙いがある。

今後の見通し

業界アナリストの間では、CATLの生産調整は一時的なものとの見方が多い。しかし、EV市場の成長鈍化が長期化すれば、さらなる調整が必要になる可能性もある。国際エネルギー機関(IEA)は、世界のEV販売台数が2030年までに年間4000万台に達すると予測しているが、その達成には充電インフラの整備やバッテリーコストの低減が課題となっている。

CATLの株価は生産調整の報道後、一時10%以上下落したが、その後は持ち直している。市場は同社の長期的な成長性を引き続き評価しているようだ。

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