2025年の世界電気自動車(EV)市場で、中国ブランドの販売シェアが約55%に達し、急速に拡大していることが、東洋経済の分析で明らかになった。特にBYD(比亜迪)は、世界販売台数で首位を堅持し、テスラを大きく引き離している。
中国勢の躍進が鮮明に
調査会社のデータを基にした試算では、2025年第1四半期の世界EV販売台数は前年同期比約30%増の約250万台。このうち中国ブランド(中国国内販売と輸出を含む)が約140万台を占め、シェアは55%に達した。BYD単独では約70万台を販売し、世界シェア約28%でトップ。2位のテスラは約40万台(シェア16%)で、差は拡大傾向にある。
「中国メーカーの競争力は価格だけでなく、技術面でも向上している。特にバッテリーやソフトウェアの統合で優位に立っている」と、業界アナリストの山田太郎氏(仮名)は指摘する。
日本勢の苦戦
一方、日本メーカーのEV販売は低迷が続く。トヨタ自動車の2025年世界販売に占めるEVの比率は2%未満にとどまり、日産自動車も5%程度と推定される。日本勢はハイブリッド車(HV)で収益を確保する戦略をとるが、EVシフトの加速で市場での存在感が薄れつつある。
「日本メーカーはEVのラインアップ不足と、充電インフラへの投資遅れが課題だ。特に中国市場では、現地ブランドに大きく水をあけられている」と、自動車業界コンサルタントの鈴木花子氏(仮名)は語る。
欧州・米国市場でも存在感
中国ブランドはアジアだけでなく、欧州や中東、南米でも販売を拡大。欧州では2025年第1四半期のEV販売で、中国ブランドのシェアが約12%に達した。これは前年同期の8%から増加している。ただし、EUの追加関税(最大25%)が課される可能性があり、今後の動向が注目される。
米国市場では、中国ブランドの直接販売は依然として限定的だが、メキシコ経由での流入や、韓国・欧州メーカーとの提携を通じた間接的な浸透が進んでいる。
今後の展望
国際エネルギー機関(IEA)の予測によれば、2030年までに世界の新車販売の約40%がEVになると見込まれる。中国ブランドはそのうち約60%のシェアを握る可能性がある。一方、日本勢はHVからEVへの転換を急ぐ必要に迫られている。
「日本メーカーが競争力を回復するには、EV専用プラットフォームの開発や、ソフトウェア定義車両(SDV)へのシフトが不可欠だ。時間は残されていない」と、業界専門家は警告する。



