トヨタ自動車とNTTは、自動運転の実現に向けて次世代通信技術「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」を活用した協業を発表した。両社は、2025年までに実証実験を開始し、2030年以降の実用化を目指す方針だ。
協業の背景と目的
自動運転技術の高度化には、車両とインフラ間の高速・大容量・低遅延な通信が不可欠とされる。トヨタとNTTは、IOWNの光電融合技術を用いることで、現在の5Gを超える通信性能を実現し、自動運転の安全性と効率性を向上させる狙いがある。IOWNは、光信号を直接処理する技術で、従来の電子回路に比べて消費電力を大幅に削減できるという利点もある。
実証実験の計画
両社は、2025年までに愛知県内のテストコースで実証実験を開始する予定。実験では、IOWNを活用した車車間通信や路車間通信の性能を検証し、自動運転の制御システムとの連携を確認する。さらに、2027年には公道での実証実験を視野に入れている。NTTの澤田純社長は、「IOWNの持つ超低遅延性能が自動運転の安全性を飛躍的に高める」とコメントしている。
実用化への道筋
トヨタとNTTは、2030年以降の実用化を目標に掲げ、自動運転車両へのIOWN搭載を目指す。具体的には、高速道路でのレベル4自動運転(特定条件下での完全自動運転)を想定したシステムの開発を進める。トヨタ自動車の佐藤恒治社長は、「自動運転の社会実装には、車両技術だけでなく通信インフラの革新が欠かせない。NTTとの協業で、より安全で快適なモビリティ社会を実現したい」と述べている。
業界への影響
自動運転分野では、グーグル傘下のWaymoや中国の百度などが先行する中、トヨタとNTTの協業は日本発の技術で競争力を高める試みとして注目される。IOWNの導入は、通信遅延を1ミリ秒未満に抑える可能性があり、緊急時の回避行動など高度な制御を可能にする。また、通信の信頼性向上により、自動運転車の事故リスク低減が期待される。両社は、今回の協業を通じて、自動運転の標準化や国際競争力の強化にも貢献したい考えだ。



