商談や交渉を成功させる鍵は、言葉ではなく「70センチ」の距離感にあるという。非言語コミュニケーションの専門家が、相手との距離と姿勢の使い方を解説している。
70センチの距離感が生む効果
相手から70センチ以上離れ、あえて沈黙の時間を取ることも効果的だ。空間と時間を自分がコントロールしている印象を与えることで、自分のステイタスを高めることができるという。
そのうえで、姿勢を崩さず、しっかりとアイコンタクトを維持しながら威厳を示す。相手の緊張がやわらぎ、ガードが少し緩んできたと感じたら、再びさっと距離を縮め、最終的な決断を促す。距離を変化させて相手の心を揺さぶるのだ。
胸を開くことで得られるリーダーシップ効果
頭の角度と同様、胸の向きをほんの少し変えることによって、相手の無意識に働きかけることができる。胸は感情を表現するのに効果的なパーツで、表情における「眉毛」のような場所だという。わずかな動きで印象がガラッと変わる。
まっすぐ直立したニュートラルな姿勢から、胸だけを上に向けて開いた姿勢になると、それだけでステイタスが高まり、エネルギーにあふれたポジティブな印象になる。高いモチベーションを持っているようにも見えるだろう。
研究によると、胸を開いた姿勢の人は、周囲から「リーダーとしての資質が高い」と評価される傾向がある。自信があるように見えるので、プレゼンやスピーチなど人前で話すときにはこの姿勢が理想的だ。「この人の話には価値がある」と無意識に思わせる効果があり、同じことを話していても説得力が増す。
強気な相手には胸を開き、閉じることで共感を示す
交渉時に相手が強気の姿勢で出てきたときには、焦らず胸を開くように意識する。落ち着きと余裕を見せることで「こちらが優位である」と相手の無意識に訴え、「手強い相手だ」と思わせる効果がある。
逆に、胸を閉じて下に傾けると、途端にステイタスは下がり、疲れているか悲しんでいる、または消極的な印象になる。印象だけでなく、胸を閉じた状態では実際にストレスホルモンが増加することがわかっている。気分が落ち込んでいるときは、意図的に胸を張ると、前向きな気持ちを引き出すことができる。
胸を閉じた姿勢は、共感や傾聴の姿勢としても効果的だ。相手の話に耳を傾ける際に、胸を閉じることで相手への理解を示すことができる。



