大阪大学の最高情報セキュリティ責任者(CISO)を務める現役教授は、セキュリティ人材の育成には長期の時間が必要だと指摘する。自身の経験から、一人前のセキュリティチームメンバーになるには5年、CISOクラスになると15年はかかると語る。
人材流動性の高さと育成の現実
セキュリティ業界は人材の流動性が激しく、「5人育てて1人残ってくれたらいい」という意識で取り組む必要があると強調。次世代を担う人材をできるだけ多く育てることが重要だとしている。
社会のサイバー攻撃への慣れを危惧
同氏は、サイバー攻撃の被害に世の中が慣れてしまっていることを懸念。「100万件の情報漏洩」と報じられても驚きがなく、企業の謝罪にも深刻さが感じられないケースが増えていると指摘。組織のブランドや信頼をゼロにする重大な問題であるとの認識が必要だと述べる。
AIが脆弱性を発見することは得意だが、それよりも重要なのは、すでに攻撃が起きていることを前提に平時にどれだけ準備できるかだと強調。報告しやすい文化の必要性を説き、インシデント発生時にはすぐにトップに報告すべきで、「報告したら怒られる」「株価が」などと躊躇している間に状況が悪化すると警告する。
低コストでできる平時の備え
日頃からお金をかけるべきところにはかけて対策を講じる一方、お金をかけなくても連絡網や復旧手順のマニュアルを作成できる。分厚いものでなく数ページでも十分だとし、相談や横のつながりをつくることも有効だと述べる。企業や病院のインシデント調査に関わってきた経験から、重要なのは日頃の準備だと確信している。
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