2026年7月16日、イタリア・ローマで開催された「人工知能と核戦争に関するノーベル賞受賞者らの会議」の最終日、参加者らはAIの責任ある利用を求める原則を採択した。会議は14日から16日までの3日間、AIの倫理的利用と平和への貢献を掲げる財団が主催し、約200人が出席した。
AIと核兵器の融合に警鐘
会議にはノーベル平和賞受賞団体である「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」や、核兵器廃絶を目指す科学者団体「パグウォッシュ会議」、米国のAI開発企業であるオープンAIやアンソロピックなどが参加した。採択された宣言は「岐路に立つ人類:人工知能と核兵器に関する宣言 非武装と軍縮による平和へ」と題され、AIが核兵器システムに組み込まれることの危険性を強調している。
宣言の内容と警告
宣言では、人間の判断に取って代わるAIが核のシステムに組み込まれれば、核保有国間の経済競争の激化や、重要なインフラを損なうサイバー攻撃の増幅などを招くと警告。さらに、AIが核兵器の使用判断に関与することを禁じる国際条約の早期締結を訴えた。
会議に参加したノーベル賞受賞者らは、AI技術の急速な進歩に伴い、核兵器に関する意思決定にAIが使われるリスクが高まっていると指摘。研究者らは「人類は岐路に立っている。AIの誤った使用は取り返しのつかない結果を生む」と強調した。
国際社会への呼びかけ
宣言は、AIと核兵器の組み合わせがもたらす潜在的脅威に対処するため、国際社会に対し、核兵器システムへのAI組み込みを禁止する法的拘束力のある条約の策定を求めた。また、AIの倫理的な開発と利用を促進するための国際的な枠組みの必要性も強調している。
今回の会議は、AIが軍事技術に応用される中、核戦争のリスクを軽減するための具体的な行動を国際社会に促す重要な一歩と位置づけられている。参加者は「私たちの世代の責任として、未来の安全を守るために今行動しなければならない」と述べた。



