防衛省は、サイバー攻撃への対処能力を強化するため、人工知能(AI)を活用した新たな防衛システムの導入を決定した。2027年度までに、AIによる自動検知・分析・対応機能を備えたシステムを開発し、サイバー防衛隊を中心に実戦配備する方針だ。
AI導入の背景と目的
近年、国家レベルのサイバー攻撃が高度化・巧妙化しており、従来の人手による監視・分析では対応が追いつかないケースが増加している。防衛省は、AIを活用することで、膨大な通信データから異常をリアルタイムで検知し、攻撃の予測や自動防御が可能になると期待している。これにより、サイバー空間での抑止力向上を目指す。
具体的には、機械学習を用いて過去の攻撃パターンを学習し、未知の攻撃手法にも対応できるシステムを構築する。また、AIが自動的に初動対応を行うことで、人的な対応までの時間を短縮し、被害の拡大を防ぐ。
人材育成と組織の拡充
同時に、防衛省はサイバー人材の育成にも力を入れる。2027年度までに、サイバー防衛隊の人員を現在の約300人から約500人に増員する計画だ。また、民間のサイバーセキュリティ専門家を積極的に採用し、産学連携による研究開発も推進する。
防衛省幹部は「サイバー空間は常に変化しており、人材の確保と育成が急務だ。AIの導入と人材投資を両輪で進め、強固な防衛体制を築く」と述べている。
具体的なスケジュールと予算
AIシステムの開発は2025年度から開始し、2027年度までに実用化を目指す。関連予算として、2025年度概算要求には約100億円を計上する見通し。このうち、AIシステム開発に約70億円、人材育成・採用に約30億円を充てる。
また、防衛省は他省庁や同盟国との情報共有も強化し、国際的なサイバーセキュリティ協力にも積極的に参加する方針を示している。



