セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、スマートフォン決済大手のPayPayと顧客IDの統合を検討していることが23日、わかった。実現すればID数は1億人を超え、購買や決済に関する大量のデータを活用できる国内最大規模の顧客基盤が誕生することになる。
ID統合の内容と規模
関係者によると、PayPayの利用者IDである「PayPay ID」に、セブン&アイのグループ共通会員サービス「7iD」を統合する方向で検討している。会員数はPayPay IDが7400万人超、7iDが約3900万人で、単純合算では、NTTドコモの共通ポイント「dポイント」の会員(約1億1000万人)、楽天グループの楽天ID(1億人以上)に匹敵する規模となる。
セブン&アイを巡っては、PayPayや親会社のソフトバンク、三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の三井住友カードが計数千億円規模の出資を行うことを検討している。顧客IDの統合は、出資を通じた協業の具体策の一環とみられる。
店舗展開と狙い
セブン&アイが展開するセブン―イレブンは全国に約2万2000店あり、店舗数はコンビニ業界で最多を誇る。PayPayは顧客IDの統合により、セブン―イレブンの店舗での決済手段としての利用拡大を狙う。また、PayPayでの決済に応じて付与するポイントサービスでは、セブン―イレブンで購入金額に応じたキャンペーンなどを展開し、会員数のさらなる拡大につなげることも想定する。
コンビニ業界では、楽天が7月から、共通ポイント「楽天ポイント」のサービスでファミリーマートと新たな連携を開始している。
データ活用の可能性
統合によってPayPayが持つ決済データとセブン&アイの購買データを組み合わせれば、「誰がいつ、どこで何を買ったか」などの消費動向もより細かく分析できるようになる。例えば、「コンビニで毎朝コーヒーを買う人」など、顧客の行動パターンに応じてクーポンの配信などを行う販売促進施策の精度向上も期待できる。
ソフトバンクはAI(人工知能)を成長戦略の柱に据える。同社が強みを持つデータ分析などの技術を組み合わせ、販促活動に生かす狙いもありそうだ。IDの統合で土台となるデータが充実すれば、セブン&アイにとっては、在庫の管理や発注の適正化など、セブン―イレブンの店舗経営の効率化にもつながるとみられる。



