NVIDIA Nemotron、国産AI開発の共通基盤に SB IntuitionsやNTTデータなど採用
NVIDIA Nemotron、国産AI開発の共通基盤に

NVIDIAが提供するオープンな技術セット「NVIDIA Nemotron」が、国産AI開発の共通基盤として複数の国内企業に採用されていることが明らかになった。2026年7月21日に公開された情報によると、SB Intuitions、NTTデータ、Sakana AI、東京科学大学、StockmarkなどがNemotronを活用している。

政府のAI基本計画とフィジカルAIへのシフト

日本政府は2025年のAI基本計画で「データ、基盤モデル、アプリなどAIエコシステム全体を俯瞰しつつ戦略的かつ統合的に国内で構築する」と宣言。2026年7月の改訂版では、フィジカルAIと領域特化型AIによる「AX(AIトランスフォーメーション)」を勝ち筋と位置付けた。この流れを受け、国内企業のAI開発が加速している。

国内各社のNemotron活用事例

SB Intuitionsは、大規模言語モデル「Sarashina」シリーズの学習にNVIDIA Nemotronを採用。特に事後学習用ライブラリ「NVIDIA NeMo RL」と大規模モデルを高速学習する「Megatron-LM ライブラリ」を中心に活用した。また、通信業界向け基盤モデル「Large Telecom Model(LTM)」の開発にもNemotronを利用し、通信ネットワーク運用の自動化を目指している。

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NTTデータは、日本の人口統計や文化的背景を反映したデータセット「NVIDIA Nemotron-Personas-Japan」を用いて、自社モデル「tsuzumi 2」の学習データを拡張。質問応答精度の向上に貢献した。さらに、AIエージェント開発・運用向けソフトウェアセット「NVIDIA Agent Toolkit」を活用し、効率的で拡張性の高いマルチエージェントシステムの開発を検討している。

Sakana AIは2023年創業のスタートアップで、小さなAIモデルを組み合わせる戦略を採用。創業から約1年で時価総額が10億ドルを超えるユニコーン企業に成長した。同社の「Sakana Fugu」は複数のAIモデルを組み合わせるマルチエージェントシステムで、NVIDIA Nemotronを統合しタスクに適したモデル選択を可能にした。

東京科学大学とStockmarkの取り組み

東京科学大学は、日本語処理に特化したオープンな基盤モデル「Swallow」シリーズを開発・公開。同モデルの事前学習と事後学習にNVIDIA Nemotronのデータセットを活用した。

2016年創業のStockmarkは、経済産業省の基盤モデル開発支援事業「GENIAC」に採択されたスタートアップ。NVIDIAのオープンモデル「NVIDIA Nemotron 3 Nano Omni」をベースに、日本語ビジネス文書の読解・構造化に特化した視覚言語モデル「Stockmark-Nemotron-3-Nano-Omni-JapanDocReader」を開発した。

NVIDIA CEOが語る国産AIインフラの必要性

NVIDIAのジェンスン・フアン創業者CEOは、各国が「自国のAIインフラを所有し、管理する必要がある」と述べ、オープンモデルを活用することでAIの検証や改善、導入が容易になると説明。日本企業との連携について「NVIDIAは日本のAIリーダーたちと共に、新たな発見を加速させ、国家の能力を強化し、あらゆる社会がAI革新に参加しその恩恵を享受できるよう、オープンなAIエコシステムの構築を推進する」とコメントした。

国内各社の取り組みは、オープンモデルやデータセット、技術セットを活用することで、開発の高速化、導入コストの抑制、運用の効率化が期待できる好例といえる。

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