神戸市は、地下鉄駅構内の混雑状況を人工知能(AI)を用いて可視化する実証実験を、2024年7月1日から開始した。この取り組みは、利用者がスマートフォンなどでリアルタイムに混雑情報を確認できるようにし、混雑を避けた移動や時差通勤を促進することを目的としている。
AIカメラで駅の混雑をリアルタイム把握
実証実験では、神戸市営地下鉄の主要駅にAIカメラを設置し、改札付近やホームの人の流れを解析。得られたデータは「混雑マップ」として専用ウェブサイトで公開され、利用者は現在地や目的地の混雑状況を色分け表示で確認できる。神戸市交通局の担当者は、「混雑情報を提供することで、利用者の安心感向上と分散利用につなげたい」と話す。
対象駅は、三宮、県庁前、新神戸、名谷、西神中央の5駅。カメラは人の顔を識別せず、人数や動線のみを解析するため、プライバシーに配慮している。実験期間は2025年3月31日までを予定。
混雑緩和と時差通勤の促進へ
神戸市は、この実証実験を通じて、通勤ラッシュ時の混雑緩和や、利用者の行動変容を促す効果を検証する。混雑情報を事前に知ることで、利用者は時間帯をずらす、別の駅を使うなどの選択が可能になる。市交通局は「将来的には、混雑予測機能の追加や、他の交通機関との連携も視野に入れている」としている。
この取り組みは、国土交通省の「スマートモビリティチャレンジ」の一環として実施される。同省は、AIやIoTを活用した交通課題の解決を推進しており、神戸市の事例は他の都市への展開も期待される。
利用者からの反応と今後の展望
実際に利用者からは「混雑状況が分かれば、空いている時間を選んで通勤できるので助かる」といった声が聞かれる一方、「アプリの使い方が難しい」との意見も。市は、利用者のフィードバックを基に、表示方法や機能の改善を進める方針だ。
神戸市は、この実証実験の成果を踏まえ、2025年度以降の本格導入を検討する。また、バスやタクシーなど他の公共交通機関とのデータ連携も視野に入れ、都市全体の交通最適化を目指す。



