いすゞ自動車は、いすゞグループ(いすゞ自動車、いすゞ自動車販売、いすゞ車体、いすゞ販売会社)と民間の架装事業者との間で、シャシ(車台)の完成からボディの架装、新車登録・新車納車に至るまでの工程情報を共有するシステム「ISUZU Truck Chain」(いすゞトラックチェーン)を2026年秋に本格導入することを発表した。同システムは、車両ごとの工程情報をリアルタイムに共有し、架装サプライチェーンをデジタルでつなぐプラットフォームとして機能する。
背景と課題
近年、新車トラックの製造・販売においては、人手不足や部材供給環境の不安定化などを背景に、架装工程の長期化が課題となっている。これにより工程計画の精度低下や工程調整の増加に伴う業務負荷の増大が生じており、ユーザーへの新車納期見通しの精度向上や関係企業における工程最適化のニーズが高まっている。
システムの概要と運用開始
いすゞは2025年11月より、いすゞ連結販売会社および取引の多い一次架装メーカーを対象に「ISUZU Truck Chain」の一部運用を開始。これまでの運用を通じて一定の効果を得られたことから、同システムの本格展開を決定した。
従来、いすゞグループと架装事業者との間では、電話や電子メールなどを通じて工程情報を確認していたが、同システムの導入により、販売会社の受注情報、シャシ完成予定、架装完成の予定・実績、新車登録予定などを関係企業間でタイムリーに共有・確認できるようになる。関係企業が同一の最新情報を活用することで、工程の滞留抑制やスケジュール変更時の迅速な納期調整を可能にし、ユーザーへの新車納車までのリードタイム短縮を目指す。
メリット
ユーザーにとってのメリット
- 架装事業者といすゞグループが工程状況を共有することで、より精度の高い納期案内を受けられる。
- 工程進捗に応じた情報提供により、新車の納期や架装の進捗を適切なタイミングで営業担当者から受け取ることができる。
- 新車納車日の見通しが立てやすくなり、計画的な車両導入が可能になる。
架装事業者にとってのメリット
- 販売会社の受注情報やシャシ生産予定を事前に確認し、将来の作業量を見据えた工程計画を立案できる。
- シャシ生産予定や架装完成予定を関係企業間で共有し、搬入・搬出計画を調整しやすくなる。
- 待機時間や工程手戻りなどのロスを抑え、架装業務の効率が改善される。
いすゞグループにとってのメリット
- シャシ生産・架装の予定や工程進捗を車両単位で把握でき、関係企業間の確認工数を削減できる。
- 計画変更時も関係企業へ速やかに情報共有でき、代替案の検討や納期調整を早期に実施できる。
- 架装事業者から共有された工程情報をもとにシャシ生産のタイミングを最適化し、工程間の滞留削減を図る。
今後の展開
2026年度後半からは対象となる架装事業者をさらに拡大し、将来的には見積・発注・請求・棚卸などの電子化機能を追加。個人事業主を含む全国の架装事業者へと展開し、架装サプライチェーン全体の可視化・最適化を推進する。
いすゞは中期経営計画「ISUZU Transformation - Growth to 2030」(IX)において、物流DXおよび国内サプライチェーン強化を重要テーマのひとつに掲げている。今後もデジタル技術を活用した業務効率化と物流業界全体の課題解決を通じて、パーパス(使命)である「地球の『運ぶ』を創造する」の実現を目指す。



