京王電鉄は、列車運行に携わる乗務員の健康状態を可視化し、ヒューマンエラーの未然防止につなげる実証実験を7月15日から実施すると発表した。同実験は、enstemが提供するウェアラブル端末活用サービス「Nobi for Driver」を用い、京王線・井の頭線の一部乗務員を対象に行われる。
ウェアラブル端末で生体情報を分析
実証実験では、列車運行に携わる一部の乗務員にウェアラブル端末を装着し、乗務前・乗務中・乗務後の心拍数の変化や眠気の兆候といった生体情報を時間帯別に分析。乗務員の健康状態を定量的に把握する。いつもと違う状態を検知した場合、装着者本人と管理者にリアルタイムでアラートを通知する仕組みだ。
定期的なレポートも発行し、対象者ごとのデータや傾向を比較できるようにする。これらの機能を通じ、健康状態の悪化や「ヒヤリハット」が起こりやすい兆候を早期に検知できるか、また健康に起因するリスクを可視化することにより、乗務中のミスを未然に防げるか検証する。実証実験の期間は10月14日までとされている。
既存の安全装置との連携
京王電鉄では、運転士の体調が急変した場合などに備え、ハンドルから手が離れると自動的に非常ブレーキが作動する運転士異常時列車停止装置や、車掌が強制的に非常ブレーキを作動させる装置を全列車に搭載している。今回の実証実験は、こうした設備面の対策に加え、乗務員の生体情報を活用した安全性向上の可能性を探る目的がある。
京王電鉄は、実証実験の結果を踏まえ、京王グループの交通事業へ横展開も検討するとしている。



