イオン、医薬品ネット販売拡大で処方箋薬のオンライン化推進へ
イオン、医薬品ネット販売拡大で処方箋薬のオンライン化推進

イオンは、医薬品のネット販売事業を大幅に拡大する方針を明らかにした。特に処方箋が必要な医療用医薬品(処方箋薬)のオンライン販売を強化し、2025年度までにネット販売の取扱店舗数を現在の約2倍にあたる2000店舗に増やす計画だ。これにより、顧客の利便性向上とともに、地域の薬局不足に対応する狙いがある。

ネット販売の現状と拡大計画

イオンはすでに、傘下のドラッグストア「イオンドラッグ」や「ウエルシア薬局」などで一般用医薬品(OTC医薬品)のネット販売を行っている。しかし、処方箋薬のネット販売は限定的で、主に対面での調剤が中心だった。今回の計画では、処方箋薬のオンライン販売を本格化し、顧客がスマートフォンやパソコンから処方箋を送信し、自宅や指定した場所で薬を受け取れる体制を整える。

具体的には、2024年度中にまず500店舗で処方箋薬のネット販売を開始し、2025年度までに2000店舗に拡大する。これにより、ネット販売の売上高は2025年度に100億円を目指すという。イオンの担当者は「高齢化が進む中、通院が難しい患者様にも薬を届けられる体制を構築することが重要だ」と述べている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

処方箋薬ネット販売の課題と対策

処方箋薬のネット販売には、法律上の規制や安全性の確保といった課題がある。日本では、医薬品のネット販売は2014年に一部解禁されたが、処方箋薬については対面での服薬指導が原則とされている。しかし、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行を機に、オンライン診療と連携した処方箋薬の宅配が特例的に認められるようになり、その後恒久化された。

イオンは、オンライン診療サービスとの連携を強化し、処方箋の発行から薬の受け取りまでを一貫してオンラインで完結できる仕組みを構築する。また、薬剤師によるオンライン服薬指導を導入し、安全性を確保する。イオンの担当者は「対面と同様の質の高い服薬指導をオンラインでも提供できるよう、システムを整備している」と説明する。

地域医療への貢献と競争激化

イオンの医薬品ネット販売拡大は、地域医療への貢献も期待される。特に、人口減少が進む地方では薬局の数が減少しており、処方箋薬を入手しにくい患者が増えている。イオンは全国に展開する店舗網を活用し、物流拠点としての機能も強化することで、地域の薬局不足を補う。

一方、競合他社も同様の動きを見せている。ドラッグストア大手のマツモトキヨシやスギ薬局も、処方箋薬のネット販売に力を入れており、業界全体でオンライン化が加速している。イオンは、グループ全体の規模を生かした価格競争力と、広範な店舗網による配送網の強みを打ち出し、競争に臨む。

今後の展望

イオンは、医薬品ネット販売の拡大を通じて、ヘルスケア事業の強化を図る。2025年度までに、ネット販売全体の売上高を現在の3倍の300億円に引き上げる目標を掲げている。また、処方箋薬に加え、健康食品や介護用品などもネット販売の対象とし、顧客の健康管理をトータルでサポートする方針だ。

イオンの担当者は「医薬品のネット販売はまだ発展途上だが、顧客のニーズは確実に高まっている。今後も技術革新や規制緩和に対応し、より便利で安全なサービスを提供していきたい」と述べている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ