千葉県八千代市の八千代松陰中学校・高等学校で5月30日、文化祭が限定公開され、中2生全員による創作劇が披露された。総合学習の一環で、生徒たちは生成AIを活用して台本を制作。演劇部や吹奏楽部の指導を受けながら演技や裏方の練習を重ねた。
哲学テーマを熱演、24班が約10分の劇
2年1組の教室に用意された約40脚の椅子がほぼ満席となる中、中2全6クラスから4班ずつ計24班が約10分の持ち時間で上演。2年1組A班の劇「トラスト・インパクト『信頼の衝撃』」は、SNSとの信頼関係をテーマに発表準備をする生徒たちが、データ消失や疑心暗鬼を経て互いを許し合うストーリー。主人公役の別府向志郎君は「没入感をどう出すかが難しかった。羞恥心が消え、話し合いのスキルが上がった」と話した。
「ウェルビーイング」と生成AIが台本作りの要
創作劇は中2の総合学習の一環。学年部長の立脇千春教諭は「台本作りを通して生成AIの適切で効果的な使い方を学んでほしかった」と語る。同校は「ウェルビーイング」を理解しやすくするための「ウェルビーイングカード」を活用。劇のメッセージも生徒がカードから選び、教員が用意したプロンプトの空欄にテーマなどを記入し、生成AIに読み込ませて台本を生成。生徒が面白いパターンを選び、さらにAIでブラッシュアップし、最終的に自身で修正・仕上げた。
AIとの向き合い方、責任感を持たせる狙い
プロンプトを作成した小林祐大教諭は「生成AIとの向き合い方がメインテーマ。AIの出力は矛盾や人称ミスがあるため、生徒に検証・修正を体験させた」と説明。文化祭で発表することで「責任感を持たせたい」と述べ、劇形式により「一人一人が責任感を持って班に貢献しようとする姿勢が見られた」と評価した。一方で「AIのアウトプットのチェック指導が徹底し切れなかったことが課題」と振り返った。
生徒の声:裏方やトラブルから学ぶ
裏方担当の三浦修士君は「ほかの班のいいところを取り入れ、無駄な動きをなくすよう心掛けた」と語る。河瀬実璃さんは「裏方2人が不在だったことに劇開始2分前に気付き、急きょ三浦君に依頼。事前の確認が不足していた」と振り返った。



